スマートホンで組み込みシステムを制御する(3/3 ページ)
適切な通信プラットフォームと開発ツールを使えば、組み込みシステムで用いる安価なモバイルユーザーインターフェースとしてスマートホンを活用することが可能となる。
ウェブビュー
SitePlayerでカスタムウェブページを作成するには、NetMedia社から提供されているサンプルコードを修正するためのHTMLオーサリングツールが必要だった。Googleで検索してみると、無料のNvu(エヌビュー)というウェブオーサリングツールが見つかったので、これをダウンロードした。NvuはHTMLを知らなくても見たままにページを編集できる。これはMicorosoft社の「FrontPage」や米Adobe Systems社の「Dreamweaver」と似ている。少し使い方を学習しただけで、サンプルページをロードしてハードウエアフックを保持し、スマートホンに搭載されている小さなグラフィカルディスプレイに合ったページを作成することができた。このオープンソースのNvuは、Mozilla Public Licenseで入手できる。
最後のステップは、SitePlayerを起動したときに通常のウェブアドレスナビゲーション情報をバイパスし、SitePlayerからユーザーインターフェースのページを直接表示するための、Q専用ソフトウエアを作成することだった。最初、Visual Studio 2005の機能や、Windows Mobile 5に使用されるCompact Frameworkの内容を理解するまでにかなりの時間がかかると予想していた。しかし、Microsoft社の開発者向けサイトにあるいくつかのチュートリアルを見てみると、筆者のソフトウエアは至ってシンプルで、1行のコードだけでSitePlayerのURLを識別できることが分かった。スマートホンSDKをインストールしていたので、「Web Browser」と呼ぶコントロールをシミュレーションディスプレイにドラッグ&ドロップし、必要なコードを追加してオブジェクトコードを構築し、その結果をVisual Studio 2005環境からQエミュレータにそのまま移行することができた(図3)。実際には言葉でいうほど易しくはなかった。機器の制御を理解するまでに時間を要したし、エミュレータをネットワークに接続するのにも、ウェブページを320×240画素のディスプレイに合わせて作成するのにも手間取った。
ソフトウエアは当初予想していたよりもシンプルなものになったが、適切なリンクを選び、スマートホンエミュレータ上の5ウェイスイッチの中央をクリックすることで、ソフトウエア上からLEDのオン/オフを切り替えることができた(図4)。このシステムは、リアルタイムではないがスイッチの設定も表示できた。このソフトウエアは、現在のスイッチ状態を読み込むためにページリフレッシュを必要とするように記述したので、おそらく一般には受け入れられないだろう。筆者のソフトウエアには小さな欠点がいくつかあるが、このスマートホン向けユーザーインターフェースのコンセプトには、組み込みシステムの開発にかかるコストと期間を軽減できるという大きな可能性がある。
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