米国に本部を置く標準化団体のMMCA(MultiMediaCard Association:マルチメディアコンテンツ振興協会)と米国の半導体業界団体で電子部品の標準化を推進するJEDEC(JEDEC Solid State Technology Association。旧Joint Electron Device Engineering Council)は、MMCメディア対応の組み込みメモリーモジュール製品の商標を「eMMC」とすることを共同で発表した。
MMCAとJEDECは、両団体が業界標準規格を共同で策定することを2006年初めに合意した。今回のeMMCという商標決定がこの合意以後初めて出された標準規格だ。
eMMC仕様は、業界標準規格のMMC System Specification v4.1/4.2とJEDEC BGAパッケージ仕様に基づいた小型のBGAパッケージに、MMCインターフェースとフラッシュメモリー、コントローラのすべてを組み込みんだストレージソリューションのアーキテクチャを定めたものである。インターフェース速度は、最大52Mバイト/秒、インターフェース電圧は1.8Vまたは3.3Vに対応する予定だという。
半導体製品の組み込みメモリー技術は、民生用電子機器や無線通信機器、ナビゲーション機器、産業用電子機器に利用されている。eMMC技術を利用することにより、ホストシステムは組み込みメモリー(eMMC)やメモリーカード、共通のMMCインターフェースプロトコルバスを備えたハードディスク(ATA -on-MMC仕様に対応する場合)など、さまざまな大容量メモリーサブシステムにアクセスできるようになる。
両団体は発表の中で、「eMMC製品を利用すれば、ホストシステムに大容量フラッシュメモリーを容易に組み込むことができる。eMMCプロトコルに対応したインターフェースは高い性能を提供するだけでなく、例えば、ホスト側には見えないNAND型フラッシュメモリーにおけるメーカー間の機能の違いといった細かい技術問題にも対応可能だ。この点が従来のアーキテクチャと異なっている。従来、ホストシステムは、複数メーカーのNAND型製品をひとまとめにして扱う必要があった」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.