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デジカメが笑顔を認識できるワケいまさら聞けないデジタル家電の仕組みを解説(1/2 ページ)

デジカメが笑顔を認識して自動的にシャッターを切る“スマイルシャッター”。今回は、この機能について解説します。

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@IT MONOistで掲載された記事を転載しています



登場人物の紹介

乙女
文系女子

デジタル製品に興味はあるが、細かいスペックの話をされるとよく分からない。結局、デザイン重視で選びがちになるが、どうせ買うなら、きちんと製品の性能を理解して自分に合った良い物を買いたいという思いがある


ムサシ
理系男子

自称デジタル人間。スケジュール管理に紙なんて論外。デジタル製品のことなら、細かいICの隅々まで、何でもこい。基本的には物静かだが、得意分野となると熱く語り始める。女の子に「すごい!」といわれると、やる気が出る



理系男子の回答

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笑顔のときに自動でシャッターを切ってくれる“スマイルシャッター”という機能は、もともとカメラ以外の分野でも使用されていた“顔認識システム”をデジタルカメラに応用したものなんだ。細かい仕組みはメーカーごとに異なるから、今回は乙女ちゃんの持っているソニーのデジカメ、“サイバーショット”の顔認識システムとスマイルシャッター(笑顔認識)機能の仕組みについて解説してあげるよ。


photophoto 画像1(左) サイバーショット「DSC-T700」、画像2(右) サイバーショット「DSC-T77」

1) 顔認識の仕組み――目と口があれば“顔”という単純なものではない

 デジカメの顔認識システムとは、電源を入れたときに液晶ファインダーに映る情報が人なのかそうでないのかを判断し、人だった場合には顔の輪郭を覆う四角い枠を表示するという機能です。顔認識システムを使うことで、顔にピントや露出などを最適に合わせた人物写真を手軽に撮影できます。

 人かそうでないのかの判断は、あらかじめカメラに覚え込ませておいた膨大なデータから抽出された顔を認識するためのエッセンスと、カメラの液晶ファインダーに映し出されている人の情報を「これは顔か? 顔じゃないか?」と高速に照合し続けることで、区別します。

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画像3 顔検出機能を使用した様子

 あらかじめカメラに覚え込ませるエッセンス(顔パターン辞書など)は、メガネをかけた人や、人種の違う人など、属性の異なる人々の顔写真から要素を抽出し、解析したものです。具体的な方法や要素の数などは企業機密とされていますが、このエッセンスの精度が顔認識システムの精度に影響するといっても過言ではありません。

 また、エッセンスをもとに高速に、正確に処理する能力も重要です。サイバーショットでは、BIONZ(ビオンズ)と呼ばれる画像処理エンジンを使用することで、高速な照合処理を実現しています。

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でも、そうしたら人形とか銅像とか、人の顔っぽいものも認識されちゃうんじゃないの?


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それは、デジカメにインプットしておくデータによるかな。でも、本来は人を認識するための機能だから、人以外は認識しないように、人っていうのはこういうものだ! ってデジカメに覚えさせているんだよ。

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へぇー! 最近のカメラは賢いねぇ! ……でも、前にわたしがマスクをしていたとき顔認識されなかったよ……?

もしや人だと思われてないの!? ひどい!!


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お、落ち着け。マスクはちょっと難しいかもね。でもそれも、インプットしているエッセンス次第だよ。典型的な顔のデータに加えて、メガネをしている顔とか、年齢ごとの顔のデータとか、それぞれの条件に合った顔の特徴を覚え込ませておけば大丈夫だと思うよ。


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もちろん、画像処理エンジン自体の処理能力も年々上がっているから、今後はさらなる精度、処理能力の向上が期待できる。顔認識がデジカメでできるようになったのも、画像処理エンジンの進化や、半導体プロセス技術の進歩があったからなんだ。


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