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ダイオードのターンオン特性を把握する(2/2 ページ)
スイッチングレギュレータの高周波対応が進んでいる。それに伴い、ダイオードのターンオン特性にも注目が集まるようになってきた。ターンオン特性によっては、スイッチングレギュレータを構成するICが故障してしまう可能性があるからだ。本稿では、このターンオン特性を正しく測定する方法について解説する。
測定結果の例
図8〜12に示したのは、上述した測定系により、さまざまなメーカーが供給している5個のダイオード1〜5のターンオン特性を測定した結果である。
図8に示したダイオード1のターンオン特性を見ると、約3.6nsにわたって定常状態の順電圧よりも高いオーバーシュートが発生している。その最大値は、200mVに達している。それでも、5つのダイオードの中では、最も優れた性能を示している。
図9〜12に示すとおり、ダイオード2〜5では、ターンオン時間とオーバーシュート電圧が非常に大きいことがわかる。特に、ダイオード5では、オーバーシュート電圧が順電圧の公称値に比べて1V以上も大きく、公称順電圧に戻るまでに数十nsもの時間がかかっている。このような製品を使用した場合、レギュレータICの故障を引き起こしかねない。
本稿で述べたとおり、電源回路の信頼性を保証するためには、ダイオードのターンオン特性を測定/評価することが非常に重要である。
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