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トライアックを利用した暗時作動スイッチDesign Ideas

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 装置の主電源に120V/240Vの交流電源を使用し、周囲が暗くなったときだけその装置に電源が入るよう、電源ラインにスイッチ(以下、暗時作動スイッチ)を挿入するケースを考える。これを実現するのは簡単なことであるように感じられるかもしれない。しかし、このような用途に利用可能で一般的に公開されている回路例は、6V〜12Vの直流電源とリレーを要するものが大半である。実用に最適な構成を見出すのは、意外に容易なことではないのだ。また、暗時作動スイッチとしては、米SUNS International社などからいくつかの製品が供給されている。しかし、それらは高価であり、一般家庭向けの製品には使用し難い。ウェブサイトで紹介されている多数の製品を調べても、結局は自作するしかないとの結論になることがほとんどだろう。


図1暗時作動スイッチ
図1 暗時作動スイッチ 周囲が暗いときのみ、AC電源ラインと負荷の間を接続する。トライアック、フォトレジスタ、抵抗をそれぞれ1個だけ使って構成している。

 本稿では、わずか3個の部品で安価かつ簡単に構成可能な暗時作動スイッチを紹介する(図1)。この回路は、トリガー機能を備えるトライアック(双方向サイリスタ)を使用している。トライアックは、交流電源によって双方向に電流を流すことが可能なスイッチング素子である。図1でトライアックQ1として使用しているのは米Littelfuse社の「Q4004LT」(「Teccor QUADRAC」ブランド)であり、内蔵するトリガー回路のスレッショルド電圧は約40Vとなっている。この電圧レベルは、フォトレジスタ(フォトセル)と抵抗R1とで構成した分圧回路によって生成する。フォトレジスタに光が当たっている場合、その抵抗値が下がり、Q1の3番端子に加わる電圧がトリガー回路のスレッショルド電圧よりも低くなる。その結果、Q1は非導通になり、負荷(装置)がAC電源から分離される。一方、周囲が暗くなるとフォトレジスタの抵抗値が上がり、Q1の3番端子にかかるピーク電圧が40Vを超える。それによりQ1が導通し、負荷がAC電源ラインにつながるという仕組みである。すなわち、周囲が暗いときのみ装置に電源を供給するスイッチとして機能する。

 Q1の選択は、負荷電流とAC電源電圧をパラメータとして行う。Q4004LTの場合、最大電流が4Arms、耐圧が最小400Vという仕様である。フォトレジスタはどのようなものでもよく、図1の回路では市販の標準的な製品を使用することを前提としている。抵抗R1の値は、スイッチングが確実に行われるようフォトレジスタの特性に合わせて47kΩとした。なお、負荷が誘導性のものである場合には、Q1の1番端子と2番端子との間に、0.1μFのコンデンサと100Ωの抵抗とを直列に接続して挿入する。

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