ITS Japanは、2011年3月19日から、東北地方太平洋沖地震で被災した東北地方への物流を支援することを目的とし、「自動車・通行実績情報マップ」を公開している。
自動車・通行実績情報マップは、本田技研工業、パイオニア、トヨタ自動車、日産自動車の4社が取得したプローブ情報を統合して、地図データ上に表示したものである。各日の午前10時に、前日の0時〜24時にかけて取得した4社のプローブ情報を集計して、ITS Japanのウェブサイトで公開している(画面1)。青色で表示されている部分が、前日に自動車が走行していた場所である。青色が濃いほど、その場所における前日の交通量が多かったことになる。なお、プローブ情報が公開されている地域は、東北地方とその周辺に限られている。
物流業者などは、自動車・通行実績情報マップを利用することにより、目的地までの円滑な走行を行える可能性が高まる。ITS Japanによれば、「全日本トラック協会から、東北地方への物流に活用しているというコメントがあった」という。
プローブ情報とは、移動する自動車を道路交通システム内における1個のプローブ(探針)と見なし、それらの自動車から得られるさまざまな情報のことを指す。代表的なものとして知られているのが、車両の位置情報と走行時の速度データから得られる交通情報である。
ITS Japanは、先に述べた4社が、それぞれ独自のサービスを展開するために個別に収集/利用しているプローブ情報を集約するための取り組みを進めている。自動車・通行実績情報マップは、この取り組みの成果を先行して公開したものである。
(朴 尚洙)
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