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フェアチャイルド、モバイル向けオーディオIC市場に参入

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 フェアチャイルドセミコンダクタージャパンは2011年6月、携帯型機器向けのIC事業における新たな戦略を発表した。スマートホンやタブレット型端末においてスピーカ、ヘッドホンに用いるアンプICの分野に参入し、製品展開を進めることがその骨子となる。

 従来、携帯型端末では、音声出力としては、主にヘッドホンを使うのが普通だった。それに対し、スマートホンやタブレット端末の普及が進むに連れ、スピーカ出力の利用が拡大している。そのため、スピーカ用のICには、ヘッドホン向けのものよりも大出力、高音質で、なおかつ電池寿命を保てるよう消費電力が少ないことが求められている。

図1 市場参入後の製品ラインアップ
図1 市場参入後の製品ラインアップ 赤い線で囲んだ部分を新たにカバーすることになる。

 フェアチャイルドは、このような要件を満たすためのものとして、従来からのAB級アンプではなく、D級アンプ、G級アンプ、H級アンプの製品ラインアップを用意する。技術的な核となるのは、2009年に買収した米Leadis Technology社オーディオ部門の技術だ。新たにオーディオ分野を手掛けることによって、フェアチャイルドは、携帯型端末におけるアナログ/電源ICの製品分野を図1のように網羅することになる。また、D級アンプについては後発となるが、DRC(ダイナミックレンジ圧縮)、ALC(自動レベル制御)、AGC(自動利得制御)をはじめとする付加機能のバリエーションによって差異化を図る。加えて、小型パッケージ技術も1つの武器とする。オーディオIC市場において、アンプICで実績を得た後、オーディオ用コーデックICの分野にも手を広げることを考えているという。

 この新たな戦略における第1弾製品としては、G級ステレオヘッドホンアンプとD級モノラルアンプを集積した「FAB2200」をすでに発表している。これに続く製品として、昇圧型DC-DCコンバータを内蔵するD級スピーカアンプ「FAB3102」を2011年夏に投入する予定である。

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