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高電圧アナログ回路を内蔵した車載マイコン、Freescale社がボディ系向けに新ファミリを展開

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 米Freescale Semiconductor社は2011年6月、東京都内で記者会見を開き、車載マイコンの新ファミリ「S12 MagniV」を発表した。電圧レギュレータやモーター/LED用のドライバ、車載LANのトランシーバなど、高電圧動作のアナログ回路を内蔵することを特徴とする。

 S12 MagniVは、自動車のボディ系システムで広く利用されているFreescale社の16ビットプロセッサコア「S12」を搭載する。また、A-Dコンバータやタイマー、発振器などの低電圧動作のアナログ回路に加えて、電圧レギュレータやモーター/LED用のドライバ、車載LANのトランシーバなどの高電圧アナログ回路を1つのダイに内蔵している。製造プロセスには、同社が2010年10月に発表した、デジタル回路と40Vまでの高電圧アナログ回路を混載できる製造プロセス「LL18UHV」を用いた。

 フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンで車載事業本部の事業本部長を務める林章氏は、「S12 MagniVは、1個のICの中に、従来は外付けしていた個別部品の機能を内蔵している。ECU(電子制御ユニット)のコスト削減や小型化に大きく貢献できるだろう。こういった高電圧アナログ回路を混載したマイコンでは、競合の車載マイコンメーカーと比べて大幅に先行できていると考えている」と語る。

 なお、Freescale社は、2006年ごろから、デジタル/アナログ混載マイコンとして、S12を搭載するマイコン機能を担うダイと、高電圧アナログ回路を搭載するダイを1つのパッケージに組み込んだ「MM912F634」などのSIP(System in Package)製品を展開している。今回の発表に併せて、これらのSIP製品もS12 MagniVの1品種として組み込まれることになった。「SIP製品は大電流を扱う用途に、LL18UHVで製造した1ダイの製品はそのほかの用途に展開することになる」(Freescale社)という。

図1 「S12VR64」の回路ブロック図
図1 「S12VR64」の回路ブロック図 

 S12 MagniVの1ダイの製品としては、パワーウインドウ向けの「S12VR64」がすでにサンプル出荷されている。S12VR64は、5V出力の電圧レギュレータや、4チャンネルの12V入力回路、直流モーター用のローサイドドライバ、LED/スイッチ用のハイサイドドライバ、車載LANであるLIN(Local Interconnect Network)のトランシーバなどを搭載している(図1)。量産開始は2012年の前半を予定。1万個購入時の参考価格は1.65米ドルとなっている。

 また、今後のS12 MagniVの展開としては、2012年ごろにブラシレス直流モーター向けやメーター向けの製品を、2013年ごろにLED照明向けやHVAC向けの製品を投入する計画である。

(朴 尚洙)

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