村田製作所は2011年9月、携帯電話機のRF(送受信回路)部を構成するICや部品の特性を評価できるシステムを開発したと発表した(図1)。LTE(Long Term Evolution)、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、GSM(Global System for Mobile Communications)といった通信方式を採用する携帯電話機の用途に向ける。価格は100万円。
同システムを用いて評価できるのは、トランシーバICからアンテナスイッチまでのRF部で、ベースバンド処理回路などは含まれない。RF部に用いているICや部品のそれぞれの特性を評価できるだけでなく、RF部全体の特性の評価も可能である。また、顧客が採用する予定のICと開発中のRF部とのマッチングを行うこともできる。同社によれば、これらの機能を活用することで、携帯電話機の開発期間を短縮できるようになるという。
評価システムは、専用の基板モジュールと、基板モジュールに関するデータシート一式から構成されている。利用する際には、基板モジュールにPCと各種計測器を接続する。PCでトランシーバICを制御しながら、各種計測器で特性の測定を行う(図2)。
対応バンドは、LTEとW-CDMAは、I(2100MHz帯)、V(850MHz帯)、IX(1700MHz帯)、GSMはクワッドバンド(850MHz/900MHz/1800MHz/1900MHz帯)となっている。
なお、村田製作所は、「CEATEC JAPAN 2011」(2011年10月4日〜8日、幕張メッセ)において、同システムを展示する予定だ。
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