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SPI採用のNOR型フラッシュメモリ、読み出し速度は最大66Mビット/秒スパンション FL-Sファミリ

スパンションは2011年9月、読み出し速度が最大66Mビット/秒、書き込み速度が最大1.5Mビット/秒のNOR型フラッシュメモリ「FL-Sファミリ」を発売した。

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 スパンションは2011年9月、読み出し速度が最大66Mビット/秒、書き込み速度が最大1.5Mビット/秒のNOR型フラッシュメモリ「FL-Sファミリ」を発売した(写真1)。SPI(Serial Peripheral Interface)を採用しており、「シリアルインタフェースを採用したNOR型メモリとして業界で最も高速」(同社)という。対象用途は、車載インフォテインメント機器や、スマートメーター、デジタル家電、プリンタなど。


写真1 SPI採用を採用したNOR型フラッシュメモリ「FL-Sファミリ」
写真1 SPI採用を採用したNOR型フラッシュメモリ「FL-Sファミリ」 

 記録容量が128Mビット、256Mビット、512Mビット、1Gビットと異なる品種を用意しており、128Mビット品と256Mビット品のサンプル出荷は既に開始している。512Mビット品のサンプル出荷は2011年第4四半期、1Gビット品のサンプル出荷は2012年第1四半期にそれぞれ始める予定である。量産時期は品種によって異なり、例えば128Mビット品と256Mビット品の量産は2011年10月に始める。価格情報は公開していない。

写真2 同社のマーケティング担当のバイスプレジデントを務めるRobert France氏
写真2 同社のマーケティング担当のバイスプレジデントを務めるRobert France氏 

 「FL-Sファミリは、高速のデータ処理とコスト効率を兼ね備えた製品群だ」(同社のマーケティング担当のバイスプレジデントを務めるRobert France氏、写真2)と説明した。前述の読み出し速度は競合他社品の1.2倍、書き込み速度は競合他社品の3倍に相当すると主張する。消去速度についても、記録容量によって異なるものの、競合他社品に比べて3〜5倍高速だという。

 「アドバンス・セクタ・プロテクション(ASP)」と呼ぶセキュリティ機能を搭載したことも特徴に挙げた。1024バイトのOTP(One Time Programmable)記憶領域や、128ビットのID記録領域も用意している。電源電圧は、コア部が3V、インタフェース部が1.65V〜3.6V。パッケージは記録容量によって異なり、8端子SOまたは、16端子SO、24端子BGA、USON/WSONである。

独自のファイルシステムも提供

 この他同社は、SPIを採用したNOR型フラッシュメモリに最適化したファイルシステムソフトウェア「FFS」を発表した。フラッシュメモリにあらかじめ搭載しておくソフトウェアで、フラッシュメモリへのデータの書き込みや読み出し、消去といった作業の処理速度を高速化し、信頼性を自動管理するもの。ファイルとディレクトリの動的な作成/削除や、フラッシュメモリの書き換え寿命を伸ばすウェアレベリング機能、ガーベージ・コレクションやファイルフラグメンテーション用の最適化機能、電源瞬断耐性を有するドライバなどで構成されている。

 これまでは、パラレルインタフェースを採用したフラッシュメモリ向けに同様のファイルシステムソフトウェアを提供していたが、今回新たにシリアルインタフェース向けを用意した。

(前川 慎光)

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