アジレント・テクノロジーは2011年12月、ベクトル信号解析ソフトウェア「Agilent 89600 VSAソフトウェア」を拡張し、複数の無線通信規格の同時測定を行える「Multi-Measurement機能」を追加すると発表した。効率的で詳細な無線の測定を行うことが可能になるという。2012年2月から同ソフトウェアの標準機能として提供する。なおこのソフトウェアは、同社が提供するシグナルアナライザやオシロスコープ、ロジックアナライザなど30機種以上に対応しており、Microsoft Windows搭載のPCや、PCベースの測定器上でも動作する。
同社によると現在、無線通信分野では、同時に複数の信号が使われる機器の研究開発や製造に携わる機会が増加している。この場合、複数の規格が使われている機器を測定したり、上り方向と下り方向の通信を同時に測定したりする必要があることから、一度に1つの信号を測定する手法では効率を高めにくい。さらに、1つの機器内における異なる信号間の影響を見ることができないという問題もあった。
今回発表したMulti-Measurement機能は、単一のユーザーインタフェースで複数の信号解析を行える。複数の測定のセットアップを同時に行うことができるという。測定はすべてメモリ内に保存されているため、一部もしくはすべてを即座に呼び出して実行することが可能だ。さらに、複数の測定を順番に行うこともできる。測定結果は1つの画面に表示されるので、結果を重ね合わせたり、ユーザー定義の演算を施したりして、複数の信号を詳細に比較することが可能だ。
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