オールインワンタイプのインフラ遠隔監視制御装置、価格は従来品の1/2:アンリツ NH3001A
アンリツの遠隔監視制御装置「NH3001A」は、アナログ回線やFL-netによる通信に対応する機能や基本入出力インタフェースや電源を標準で装備するオールインワンタイプの製品である。価格も従来品の1/2に抑えた。
アンリツは2012年1月、社会インフラ系設備向け遠隔監視制御装置の新製品「NH3001A」を発表した。遠隔監視制御装置間の通信に広く利用されているアナログ回線に加え、FA(Factory Automation)機器用のオープンネットワーク規格FL-netに標準で対応するとともに、監視対象と信号をやりとりするための基本入出力インタフェースや電源も装備している。従来品の「H-2100シリーズ」にこれらの標準機能をモジュール単位で追加する場合と比べて、価格を約1/2に抑えた。主に、自治体/官公庁が運営する水道システム、環境監視システム、企業の設備監視システムなどの用途に向ける。既に販売を開始しており、価格は130万円から。2016年末まで5年間の販売目標台数は5000台。
同社は、30年以上にわたって遠隔監視制御装置事業を手掛けており、自治体の水道システムに数多く採用されている。最近では、「より広域を対象とした遠隔監視を実現するための取り組みが進んでいるため、既存の装置が使用している各種通信回線との統合が可能で、かつ低コストの製品に対する需要が高まっている」(同社)という。これに応えて開発したのがNH3001Aである。
NH3001Aは、3.4kHz専用線や50bps専用線、一般公衆回線などのアナログ回線だけでなく、FL-netにも標準で対応している。さらに、アナログ信号とデジタル信号の基本入出力インタフェースと、電源も備えるオールインワンタイプの製品だ。また、収容する入出力信号種別や通信回線、通信速度などを設定できるソフトウェアを内蔵しているので、システム設定が簡単だという。オプションで電源を2系統に増やせば、電源の冗長化による安定運用も可能になる。従来品のH-2100シリーズとの通信互換性があるので、既設の遠隔監視制御装置ネットワークにおけるNH3001Aの置き換えや追加も容易である。
その他の仕様は以下の通り。消費電力は50W程度。動作温度は−10〜50℃で、0℃以上でコールドスタートが可能。動作湿度は10〜90%(相対湿度)。アナログ精度保証温度は0〜45℃。外形寸法は200×220×170mmである。
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