半導体メーカーが多数出展、電気二重層キャパシタも注目集める:カーエレ展/EV・HEV展(2/2 ページ)
半導体メーカーが多数出展していた今年の「カーエレ展/EV・HEV展」。各社の展示から筆者が特に気になったものと、注目の蓄電デバイスである電気二重層キャパシタの展示を紹介する。
採用広がる電気二重層キャパシタ
電気二重層キャパシタは、リチウムイオン電池と比べて蓄電容量は少ないものの、充放電時の出力密度が大きく、サイクル寿命も長い。これらの特徴を生かすことにより、自動車への採用事例が増えつつある。
日本ケミコンは、第3世代の電気二重層キャパシタ「DXEシリーズ」を発表した。従来品と比べて、内部抵抗を半分以下に低減するとともに、使用温度範囲を高温側に広げた。2012年中に量産を開始する予定。主な用途は自動車のエネルギー回生システムを想定している。展示した直径40mm×長さ150mmの品種は、内部抵抗が従来比の1/3となる0.8mΩ、使用温度範囲が高温側に10℃広がって−25〜70℃となっている。容量は、従来品の400Fと比べて若干少なくなっている。
また、マツダのエネルギー回生システム「i-ELOOP」に採用された電気二重層キャパシタも展示していた。同システム向けの品種は、DXEシリーズではなくマツダの仕様に合わせて開発した特注品である。
パナソニックは、電気二重層キャパシタを用いた「バッテリーバックアップ用電源ユニット」を披露した。車載バッテリの電圧低下時のバックアップ、緊急時のドアロック解除、欧州の緊急時位置情報システム「e-call」といった用途の電源として利用できる。長寿命の電気二重層キャパシタを用いているので、15年間メンテナンスが不要なことも特徴となっている。2014年4月に量産を開始する計画だが、「顧客からは前倒しを要望されている」(同社)という。
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