「最新ガソリン車の実燃費はHEVと同等」、内燃機関車の研究団体が発表:電気自動車(2/2 ページ)
マツダの「デミオ」やダイハツ工業の「ミラ イース」など、燃費が30km/l以上のガソリン車に注目が集まっている。次世代ガソリン・ディーゼル車研究会の比較実験によると、これら最新のガソリン車とハイブリッド車(HEV)の実燃費は同等だったという。
欧州と日本で異なるエコ行動
この他、モーター/環境ジャーナリストの川端由美氏が、欧州におけるディーゼル車普及の背景について解説した。
ディーゼル車が新車登録に占める比率は、2008年時点で日本は0.1%と少ない。一方、欧州は、ドイツが44.1%、イタリアが50.8%、フランスが77.3%と極めて高い比率になっている。
川端氏は、「欧州のライフスタイルがディーゼル車普及の背景にある」として、3つの観点で説明した。1つ目は、環境問題に対する意識を行動に移すための学びの場が整っていることだ。例えば、航空会社のマイレージを利用してエコドライブの講習を受けられたり、地域の環境団体がエコドライブの教習を実施していたりするという。このため、「エコ意識をそのままエコドライブというエコ行動として実践しやすい」(同氏)というのだ。2つ目は、欧州各国で高速道路が整備されているため、長距離を運転する機会が多く存在することである。3つ目の観点としては、欧州と日本で「運転がうまい」という言葉の意味の相違を挙げた。「日本では、山道を速く走行できる、ドリフトができるといった、個人的、非社会的な発想に基づく技術を評価する傾向がある。一方、ドイツでは、スムーズに交通の流れに入ったり、危険なシーンで事故を上手に回避できたりするという、社会的な適合性のある技術が評価される」(同氏)という。
そして川端氏は、こういったライフスタイルに基づき、欧州における“いいクルマ”の条件が、「運転が楽しい」、「上手に操れる」、「長距離走行でも燃費が良い」の3つであると分析。これら3つの条件を満たすディーゼル車が、「同クラスのガソリン車と比べて10〜15%高価であるにもかかわらず欧州で売れるようになった」(同氏)と結論付けた。
最後に川端氏は、「欧州で高く評価されているディーゼル車は、日本でも受け入れられるポテンシャルは十分にある。特に、日本の自動車メーカーが開発したディーゼル車は、最新の排ガス規制に対応するためのシステムコストを低減していることもあって、価格面での優位性が期待できそうだ」と述べている。
なお、次世代ガソリン・ディーゼル車研究会は、マツダなどが参加する任意団体である。
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