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車載インバータ向けの絶縁素子内蔵ゲートドライバ、SiCデバイスの駆動に最適車載半導体

ロームが開発した絶縁素子内蔵型ゲートドライバIC「BM6103FV-C」は、一般的なフォトカプラとゲートドライバICを組み合わせた駆動回路と比べて、実装面積を1/2以下に削減できる。

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 ロームは2012年5月14日、コアレストランスベースの絶縁素子を内蔵したゲートドライバIC「BM6103FV-C」を開発したと発表した。同社独自のBiCDMOSプロセス技術と、新たに開発したオンチップトランスを製造するためのプロセス技術を組み合わせることで、絶縁素子内蔵型ゲートドライバICとして業界最小のパッケージサイズを実現したという。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)のインバータに搭載されているパワー半導体を駆動する用途に最適である。サンプル価格は1000円。2012年9月から月産1万個の規模で量産を開始する。


 BM6103FV-Cは、ゲートドライバ、絶縁素子(コアレストランス)、入出力回路の3つのダイをまとめて単一のパッケージに封止したマルチチップ品である。ロームによれば、インバータ内のパワー半導体を駆動する場合、BM6103FV-Cは、2個のフォトカプラと1個のゲートドライバICを組み合わせた回路よりも、実装面積を1/2以下に削減できる。また、消費電流も1/4以下に抑えられる。入出力遅延時間が400nsと短いので、高速のスイッチングを行うインバータにも利用可能だ。特に、「次世代パワー半導体としてEVやHEVのインバータへの適用が期待されているSiC(シリコンカーバイド)デバイスに対応したゲートドライバICはこの製品だけだ」(ローム)という。

実装面積の比較と内部構造
左の図は実装面積の比較。右の写真は「BM6103FV-C」の内部構造である。(クリックで拡大) 出典:ローム

 主な仕様は以下の通り。出力定格電流(ピーク値)は5.0A。絶縁素子の絶縁耐圧は2500Vrmsである。パッケージの外形寸法は縦横が6.5×8.1mmで、高さは最大で2.01mm。ミラークランプ機能、フォールト出力機能、低電圧時誤動作防止機能、サーマルプロテクション機能、短絡保護機能、短絡保護時ソフトターンオフ機能といった、車載インバータ回路に要求される保護機能を全て搭載している。

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