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積層セラミックチップコンデンサはこうして作られるよく分かる! コンデンサの仕組みと働き(3)(3/4 ページ)

電子機器に使用されるコンデンサのグローバル販売数量は年間約7000億個に及び、その約80%は積層セラミックチップコンデンサが占めています。携帯電話に代表される電子機器の小型・軽量化を陰から推進してきたのも、積層セラミックチップコンデンサです。そこで今回は、一般にはあまり知られていない積層セラミックチップコンデンサの要素技術や製造技術を紹介します。

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量産化とともに小型化・大容量化にも適したシート工法

 積層セラミックチップコンデンサの製法を簡単に紹介します。誘電体を多層積層していく工法としては、ウェット工法とドライ工法があり、現在はドライ工法であるシート工法が主流です。

図6 積層セラミックチップコンデンサの製造プロセス1、2
図6 積層セラミックチップコンデンサの製造プロセス1、2

 まずセラミック誘電体の原料粉末をバインダなどと混ぜてペースト状にし、プラスチックのキャリアフィルム上に薄いシートとして延ばし、乾燥させます。これをグリーンシートといいます。グリーンとは“生の”という意味です。次に、このグリーンシートにペースト状にした内部電極材料をスクリーン印刷します。1回の印刷で多数の内部電極が印刷できるところがミソです。内部電極が印刷されたグリーンシートは、数10mm角〜数100mm角のサイズに裁断された後、電極パターンを精密に位置合わせしながら積み重ねます。積層数は数10〜数100層、多いものでは1000層以上にも及びます。

図7 積層セラミックチップコンデンサの製造プロセス3、4
図7 積層セラミックチップコンデンサの製造プロセス3、4

 こうして積層されたシートに圧力を加えて圧着・一体化してから、切断機によって縦横に小さくカットします。ここで初めてチップ部品らしい姿を現します。しかし、この段階ではまだ誘電体は生乾きの状態であり、焼成炉に送られ約1000〜1300℃ほどの温度で焼成されてセラミックスとなります。続いて外部端子の形成です。チップ断面には内部電極が露出しているので、そこに外部電極材料を塗布・焼付けた後、めっき(ニッケル、スズ)を施して外部電極を形成します。

図8 積層セラミックチップコンデンサの製造プロセス5、6
図8 積層セラミックチップコンデンサの製造プロセス5、6

 こうして製造された積層セラミックチップコンデンサは、自動検査機によって静電容量や耐圧などの特性や外観を全数検査し、不良品を選別してから、テーピングやバルクケースなどで梱包して出荷されます。

図9 積層セラミックチップコンデンサの製造プロセス7、8
図9 積層セラミックチップコンデンサの製造プロセス7、8

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