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解のない整流回路を作ってみよう超入門! イチから覚える電源回路(4)(3/3 ページ)

コンデンサインプット型の回路で電流のピーク値を抑えるには、別置きのインダクタンスLxを用いる方法がありますが、大きさ・質量が大きく、解がありません。今回は、実際に回路を作って、どの程度解がないのかを探っていきましょう。

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 Lxの仕様は、インダクタンスが100mH、電流1.22Aとなり、電圧仕様が43.6V、100Hzの直流リアクトルとなります。秋葉原へ行って似たようなリアクトルを探してみるのも一興です。たまげる様な大きさのものが見つかるでしょう。もしも電源周波数が50kHzと仮定すると、比例算でLxは100uHとなり、高周波とする効果がハッキリと分かると思います。

 この解析では電源のインダクタンスLは話題にしませんでした。このような回路ではダイオードブリッジのU相とV相のダイオードが同時に通電する区間がありますが、この場合、電源インダクタンスの効果は無視できる程度ですので、説明は省きます。

 シミュレーションの結果を図2a、bに示します。

図2a シミュレーション結果1
図2a シミュレーション結果1(クリックで拡大)
図2b シミュレーション結果2
図2b シミュレーション結果2(クリックで拡大)

 図2aにLxに流れる電流を、図2bにコンセントに流れる電流をセレクトしてみました。当たり前ですが手計算の波形とよく似ています。この回路は電源に2倍の周波数の電流を流しますので、あまり電源に優しいとはいえませんが、電流のピークは負荷電流の2倍に抑えられております。

図3 全波整流回路(Lx交流側)
図3 全波整流回路(Lx交流側)

 では、先のLxを交流側に入れた回路(図3)ではどうなるでしょう。図4a、bにシミュレーションの結果を示します。

図4a Lxを交流側に入れた場合のシミュレーション結果1
図4a Lxを交流側に入れた場合のシミュレーション結果1(クリックで拡大)
図4b Lxを交流側に入れた場合のシミュレーション結果2
図4b Lxを交流側に入れた場合のシミュレーション結果2(クリックで拡大)

 図4aは電源とコンセント電流を、図4bに直流電圧Vdとコンセント電流とダイオードD3の電流を示しています。インダクタンスが大きくコンセントに流れる電流のピークは抑えられていますが、遅れ電流も流します。いかんせん相当大きなリアクトルを必要としますので、冒頭にいいましたようにこのままでは解はないといえましょう。

 今回は、昔の整流回路を説明しました。考え方だけ参考にしてください。高周波となっても原理は同じです。次回は大きなインダクタンスなしでも何とか使えそうな回路を探してみましょう。

 なお、使用したシミュレータはLTspice IV でリニアテクノロジー社のホームページからダウンロードでき、誰にでもすぐに使える優れものです。

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