明暗検知用スイッチIC、動作時の消費電力が1nW以下と低い:セイコーインスツル S-5470シリーズ
セイコーインスツルの「S-5470シリーズ」は、フォトダイオードなどの光発電素子を外付けして使う明暗検知用スイッチICである。動作時の消費電力は標準0.55nWと低く、1nWを切る。これを電子機器に組み込んで、明暗検知で待機状態に切り替えるようにすれば、機器の待機時消費電力をほぼゼロまで下げられるという。
セイコーインスツル(SII)は、動作時の消費電力が1nW以下と極めて低い、明暗検知用スイッチIC「S-5470シリーズ」を製品化し、受注を開始した。PC周辺機器やリモコンなどに組み込んでオートパワーオフ機能に利用できる他、周囲が暗くなると自動点灯するオートライトや、手をかざす動作でオン/オフする非接触スイッチなどに使える。2012年7月23日に発表した。
このスイッチICは、フォトダイオードなどの光発電素子を外付けして使う。光発電素子に光が入射した際に生じる光電流を受け取って、出力の論理レベルの高/低を切り替える機能を備えた。
消費電流は、動作時に標準0.1nAと低い(電源電圧が5.5Vの時)。入力信号の有無を極めて低い消費電力で検出できる独自のCMOS回路を採用することで実現したという。同社によると、同等の機能を備える一般的な従来品は、消費電流が10〜100μA程度だった。新製品を電子機器に組み込んで、明暗検知で待機状態に切り替えるようにすれば、「機器の待機時消費電力をほぼゼロまで下げられる」(同社)。
パッケージは実装面積が2.9×2.8mmで厚みが1.3mmの5端子SOT-23。光電流の入力端子を2本備えており、遮光検知に応用することも可能だ。具体的には、各端子に光発電素子を接続し、両者が検出する照度の差に基づいて出力の論理レベルを切り替える。なお光発電素子としては、フォトダイオードの他、LEDや太陽電池を利用することもできる。光電流の検出レベルは標準0.7nA。動作電圧範囲は0.9〜5.5Vである。
出力形式が異なる4品種を用意した。具体的には、CMOS出力とnチャネルのオープンドレイン出力があり、それぞれに光電流検出時に出力論理が高レベルになるタイプと低レベルになるタイプがある。サンプル価格は200円。
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