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16セル対応の電池監視IC、専用マイコンとの組み合わせでISO26262対応が容易に車載半導体

東芝は、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)に搭載される大容量二次電池向けに電池監視IC「TB9141FG」と32ビットマイコン「TMPM358FDTFG」を発表した。両ICを用いれば、自動車向けの機能安全規格ISO 26262に準拠した大容量二次電池の監視システムを容易に構築できる。

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東芝の電池監視IC「TB9141FG」と32ビットマイコン「TMPM358FDTFG」

 東芝は2012年11月8日、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)に搭載される大容量二次電池向けに電池監視IC「TB9141FG」と32ビットマイコン「TMPM358FDTFG」を発表した。両ICとも、2013年2月からサンプル出荷を始める。同年3月から評価ボードを出荷し、2014年4月からは量産を開始する予定だ。サンプル価格は、TB9141FGが800円、TMPM358FDTFGが1000円。

 TB9141FGとTMPM358FDTFGは、EVやHEVの大容量二次電池を構成する数十〜100個以上の各電池セルの電圧を監視するとともに、容量の均一化を図るセルバランスなどの機能を実現するICである。両ICに搭載した故障検出機能や、同社のソフトウェアライブラリを用いれば、自動車向けの機能安全規格ISO 26262に準拠した大容量二次電池の監視システムを容易に構築できることを最大の特徴とする。

 東芝は、今回の新製品投入を機に大容量二次電池向けの電池監視ICの事業展開を強化し、2017年度に同市場で25%のシェア獲得を目指す方針である。

左の写真は、東芝の電池監視IC「TB9141FG」(左)と32ビットマイコン「TMPM358FDTFG」。右の写真は、両ICをチップセットとして用いた評価ボードである。 出典:東芝

16個の電池セルの電圧監視が可能

 電池監視ICのTB9141FGは、96Vという高い耐圧プロセスを採用することにより、最大で16個直列に接続した電池セルの電圧を、各セル個別に計測する機能を備えている。12個までしか計測できない競合他社の電池監視ICよりも部品点数が少なくて済むという。例えば、96個の電池セルを用いる大容量二次電池の場合、TB9141FGは6個のICで全ての電池セルの電圧を監視できるが、競合他社の電池監視ICは8個のICが必要になる。

 大容量二次電池の各電池セルの電圧を計測するには、複数のTB9141FGをデイジーチェーン接続する必要がある。このデイジーチェーン接続には、耐ノイズ性の高い差動伝送方式を用いている。計測した電池セルのアナログ電圧値のデジタル変換には、分解能12ビットの逐次比較型A-Dコンバータを採用した。さらに、TB9141FGに内蔵するスイッチを用いて、容量の多い電池セルから放電させるセルバランスを実行している間も電圧測定を行える。

 電圧の測定精度は、出力電圧が3.7Vのリチウムイオン電池の場合に±2mVを実現している。消費電流は、シャットダウン時で1μA以下、スタンバイ時で10μA、通常動作時で100μA。パッケージは、外形寸法が10mm角で、64端子のLQFPである。動作温度範囲は−40〜105℃となっている。

 マイコンのTMPM358FDTFGは、ARMのマイコン向けプロセッサコア「Cortex-M3」を搭載している。最大動作周波数は40MHzである。低電圧で動作するSRAM、このSRAMに低電圧を供給するレギュレータ、16ビットプリスケーラカウンタと32ビットアップカウンタを実装しており、電池監視を行うとき以外のマイコンの消費電力を低減できる。消費電流は、通常動作時が50mA、スリープ時が15μAとなっている。

 ISO 26262への準拠に必要な冗長性を確保するために、バックアップSRAMとECC(誤り検出訂正)回路を搭載している。さらに、TMPM358FDTFG向けのソフトウェアライブラリは、東芝が2012年3月に第三者機関からの認証を取得したソフトウェア開発プロセス(関連記事)を用いて開発されている。このため、ISO 26262に準拠した大容量二次電池の監視システムを短期間で開発できるようになるという。

ISO26262−自動車向け機能安全規格−

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