100G向け測定器をテクトロが拡充、新型BERTとオシロ用低ジッターオプション:テクトロニクス PPG/PED3000シリーズ
100Gビット/秒のデータ伝送速度に対応する通信機器や半導体/電子部品の設計開発/製造に向けた測定器をテクトロニクスが拡充する。新型のビット誤り率テスター(BERT)の他、サンプリングオシロをベースにした波形観測/ジッター測定システム用の低ジッター化モジュールを用意した。
テクトロニクスは、100Gビット/秒のデータ伝送速度に対応する通信機器や半導体/電子部品の設計開発/製造用途に向けて、2つの測定システムを一挙に投入する。1つは、それぞれ新規に開発したパルスパターン発生器(PPG)とビット誤り検出器(ED)を組み合わせた新型ビット誤り率テスター(BERT)システム。もう1つは、同社既存のサンプリングオシロスコープに、新たに開発した低ジッター化モジュールを追加した波形観測/ジッター測定システムである。同社はこれまでも同用途に向けて、光変調信号の解析装置「OM4000」や、ワンボックス型BERT「BSA286C」、クロックリカバリ装置「CR286A」などを供給しており、今回の拡充で製品ラインアップを強化する。
米国のTektronixでPerformance Oscilloscopes Product LineのGeneral Managerを務めるBrian M. Reich氏は、今回の拡充の背景にある市場の状況を、「インターネットを流れる動画コンテンツが以前に比べて大幅に増えていることに加え、タブレットPCやスマートフォンの出荷台数が急増していることから、100Gビット/秒対応の光通信ネットワークの敷設が今後急速に進展すると見込まれている」と説明した。
今回投入するBERTシステムの特長は、最大4チャネルの同時テストに対応できることだ。IEEE 802.3baが標準化を手掛ける100Gビット/秒対応イーサネットの規格「100Base-LR4/ER4」など、4チャネルを利用する伝送方式のテストに利用でき、チャネル間クロストークをはじめとする各種特性の評価に使える。
このBERTシステムを構成するパルスパターン発生器(PPG)「PPG3000シリーズ」については、出力可能なデータ列の速度とチャネル数が異なる6機種を用意した。具体的には、データ列の最大出力速度が30Gビット/秒もしくは32Gビット/秒で、チャネル数が1チャネル、2チャネル、4チャネルと異なる6機種である。価格は、30Gビット/秒出力の1チャネル機が1400万円(税別、以下同)から。同4チャネル機で3000万円程度である。
ビット誤り検出器(ED)「PED3000シリーズ」は1チャネルと2チャネルの機種を用意しており、いずれも最大32Gビット/秒に対応可能だ。4チャネル構成のPPGと組み合わせる場合は、2チャネルの機種を2台使って対応する。1チャネル機が998万円から。2チャネル機は1500万円程度である。
もう1つ新たに投入する波形観測/ジッター測定システムは、先に述べた通り、テクトロニクス既存のサンプリングオシロスコープ「DSA8300」に複数の新型オプションモジュールを組み合わせたものだ。具体的には、測定器のジッターを標準100fs(フェムト秒)と極めて低く抑えるフェーズリファレンスモジュール「82A04B型」と、チャネル当たり20〜70GHzの帯域幅で最大6チャネルの電気信号を同時に取り込めるサンプリングモジュール群である。「ジッターをここまで低く抑えつつ、これほどの帯域幅で6チャネルを同時に観測できるシステムは他に無い」(Reich氏)という。
新型サンプリングモジュールは6品種を用意しており、それぞれ帯域幅やジッター性能、ノイズ特性が異なる。例えば、最大70GHz対応の「80E11/80E11X1」はジッターが標準85fs(rms値)で、ノイズは標準950μVである。波形観測/ジッター測定システムとしての価格は、70GHz対応の2チャネル構成で1500万円程度になるという。
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