フラッシュにファームウェアを内蔵した無線LANモジュール:ローム BP3599
ロームは、フラッシュメモリ内蔵タイプの無線LANモジュールを発表した。フラッシュメモリに無線LANファームウェアを書き込み、より無線LAN対応機器を開発しやすいモジュールとして、1個単位から販売していく。
ロームは2013年6月、無線LANモジュールとしてフラッシュメモリを内蔵した「BP3599」を発表した。内蔵フラッシュメモリには、無線LANファームウェアなどが書き込まれ、「すぐに無線LAN通信が可能」(同社)という。既にサンプル出荷中で、サンプル価格は1万円。2013年7月から量産を開始する予定だ。
ロームは2012年から無線LAN通信を構築する上で必要な機能を搭載したモジュール製品「BP3591」を発売している。BP3591は、ネット商社などと連携して1個単位で購入できる環境を整え、「簡単に導入できる点が非常に好評で、数百社に対しサンプル提供や販売を実施してきた」という。
今回の新製品BP3599は、BP3591よりもさらに簡単に無線LANを導入できるモジュールとして開発した。TCP/IPプロトコルスタック内蔵ファームウェアを書き込んだフラッシュメモリを内蔵した。同ファームウェアは、ステーションモードとアクセスポイントモードの両方に対応。フラッシュセレクト端子のHigh/Lowの切り替えにより、動作モードを選択できる。ロームは「無線LAN通信に必要な要素が全て入ったオールインワンの無線LANモジュール。(BP3591と同様に)1個から購入できるWeb環境を整えるとともに、充実したサポート体制を提供していく」としている。
新製品は、国際標準規格「IEEE802.11b/g/n/i」に準拠する他、国内電波法認証を取得。チップアンテナも内蔵している。コネクタのピンアサインは、BP3591と互換性があり、容易に新製品に置き換えることもできる。
内蔵フラッシュメモリの容量は4Mビット。電源電圧は3.3V、消費電流は、連続送信時300mA、受信時200mA、スリープ時500μAとなっている。
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