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電子工作を気軽に楽しむ、Arduino互換の超小型開発ボードが8ドルで登場:組み込み技術
「Arduino」と互換性のある開発ボードが登場した。サイズは31mm×15.5mm、価格は8米ドルだ。AtmelのCPUを搭載していて、I2CとSPIに対応するなど、電子工作を気軽に楽しむには十分な仕様を実現している。
電子工作向けキットの通信販売を行う米国のAdafruit Industriesは、マイコン開発ボード「Arduino」と互換性のある開発ボード「Trinket」を発表した。
Trinketは、サイズが31mm×15.5mmと極めて小さい。文字通り(trinket=小さいという意味)、裾などに隠れてしまうほどのサイズだ。野球帽に取り付けたとしても、軽すぎて気付かないだろう。Trinketは、動作周波数が8MHzで電源電圧が3Vのモデルと、8MHz/16MHzで5Vの2種類のバージョンを用意する。販売価格はいずれも7.95米ドル。
AdafruitのWebサイトによると、Trinketの主な特徴は次の通りだ。
- AtmelのCPU「ATtiny85」、8Kバイトのフラッシュメモリ、512バイトのSRAM、512バイトのEEPROMを搭載
- 内部発振器は8MHz動作だが、ソフトウェアに搭載する場合は、その2倍となる16MHz動作が可能
- GPIOを5つ搭載。うち2つはUSBインタフェースと共有している。残りの3つのI/O端子は、アナログ入力1チャンネルとPMW出力2チャンネルを備える
- I2CとSPIに対応する
- USBブートローダーにはLEDインジケーターが搭載されていて、USBtinyISPとよく似ている。AVRdudeやArduino IDEでプログラムすることが可能
- 緑色LEDと赤色LEDを搭載
- ブートローダーを入力したりプログラムを再起動したりするためのリセットボタンを搭載。このため、リセットやアップデートの際にボードを抜き挿しする必要がない
- USBと外部出力(バッテリなど)を自動的に切り替えて駆動
- 150mAの出力性能と超低ドロップアウトを備えた、3.3V/5.0Vの電源レギュレーターを搭載。入力電圧は最大16V、電流制限保護などを備える
筆者は、Trinketを使って、LEDをリング状に配置して光らせるシステムを約10分で作ることができた。
【翻訳:田中留美、編集:EDN Japan】
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