低消費電力用途向けマイコン、スパンションがFM0+ファミリ:スパンション FM0+ファミリ
「FM0+ファミリ」は、ARM Cortex-M0+コアを搭載したマイクロコントローラである。FM0+ファミリは、消費電力が70μA/MHzと小さい。動作周波数は最大40MHzである。白物家電や産業機器のモーター制御、スマートメーター、センサーシステムなどの用途に向ける。
Spansion(スパンション)は2013年11月18日、ARM Cortex-M0+コアを搭載したマイクロコントローラ「FM0+ファミリ」を発表した。FM0+ファミリとしてまず、「エントリグループ製品」について2013年12月中旬よりサンプル出荷を始める。さらに1.65Vという低い電圧から動作できる「ウルトラパワーグループ製品」を、2014年後半よりサンプル出荷する予定だ。白物家電や産業機器のモーター制御、スマートメーター、センサーシステムなどの用途に向ける。
FM0+ファミリは、消費電力が70μA/MHzと小さい。動作周波数は最大40MHzである。エントリグループ製品の動作電圧は2.7〜5.5Vで、フラッシュメモリは最大88kバイトの容量を内蔵した。インバータ制御機能も備えている。ウルトラパワーグループ製品の動作電圧は、1.65〜3.6Vと低い。RTCモード時のスタンバイ電流は0.7μAに抑えた。フラッシュメモリの容量は最大2567kバイトを内蔵している。LCDコントローラも搭載した。
スパンションでは、マイクロコントローラ製品を、効率よく開発するためのソフトウェアや開発環境も用意している。例えば専用ソリューションパックとして、インバータ制御用向けファームウェアや静電容量式タッチパネル向けファームウェア、USBやイーサネット機能を実現するためのソフトウェアなどがある。さらに、仮想モデルによるソフトウェア開発環境も提供している。
スパンションは、ARM Cortex-Mシリーズを搭載した産業用マイコンファミリとして、すでにCortex-M4コア搭載の「FM4ファミリ」とCortex-M3コア搭載の「FM3ファミリ」を量産している。今回発表したFM0+ファミリは低消費電力分野をターゲットに開発した。
スパンションのマイクロコントローラ&アナログビジネスグループ担当でバイスプレジデント兼事業本部長を務める布施武司氏は、「FMファミリとして700品種以上の製品群があり、最大200MHz動作で250DMIPSの高性能マイコン製品から低消費電力マイコン製品までシームレスに移行できる。動作電圧は1.65〜5.5Vと幅広く、内蔵のフラッシュメモリは64k〜2Mバイトまで揃えている」と、同社マイコン製品の特長を話す。さらに、次期製品についても触れ、「次世代マイコンには、40nmのエンベデッドチャージトラップ技術を用いたフラッシュメモリIPを内蔵し、2015年に製品化する予定である」と述べた。
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