日本モレックスが車載2mmピッチコネクタを拡充、LEDランプの需要拡大に対応:東京モーターショー2013
日本モレックスの2.00mmピッチの車載用電線対基板コネクタ「DuraClick」は、ヘッドランプやリヤランプのLED化により需要が拡大している。このため、ヘッダの新たな品種として垂直接続タイプの「560020」を追加した。
日本モレックスは、「第43回東京モーターショー2013」(2013年11月20日〜12月1日、東京ビッグサイト)において、2.00mmピッチの車載用電線対基板コネクタ「DuraClick」を展示した。
DuraClickは、ステアリングやシフトレバーなどの高振動にさらされる車載システム向けに、日本の事業部が中心になって開発した製品である。実装基板に対して垂直方向に100Nmの力が掛かっても抜けないような補強部品を採用し、高振動が加わっても不具合が起こりにくい。これに対して、通常の2.00mmピッチコネクタは、80Nm以上の力が掛かると抜けてしまう。
日本モレックスの2.00mmピッチ車載用電線対基板コネクタ「DuraClick」。一番上がレセプタクルの「502351」、中央左が垂直接続タイプのヘッダ「560020」、中央右が水平接続タイプのヘッダ「502352」。一番下は、実装基板に対して垂直方向に100Nmの力が掛かっても抜けないことを説明する図(クリックで拡大)
現在、DuraClickの売り上げは年率20%で拡大している。これは、ステアリングやシフトレバー関連に加えて、リヤランプのLED化がけん引している。「LEDランプは従来と比べて駆動電流が小さいので、より細いワイヤーハーネスを使用できるようになった。そこで、DuraClickが採用されるようになっている。今後は、ヘッドランプのLED化でさらに需要が伸びるだろう」(日本モレックス)という。
そこで、基板に実装するヘッダ(メスコネクタ)が水平接続タイプの品種「502352」だけだったところに、垂直接続タイプの品種「560020」を追加した。垂直方向にレセプタクル(オスコネクタ)をはめ込めるので、スペースに制約のある用途などに最適である。
DuraClickは車載システムの組み立て工程における利点も多い。まず、ヘッダへのレセプタクルの挿入性が高い。次に、“カチッ”というクリック音により、しっかりとはめ合わさっていることを知らせる機能も有している。「組み立て工程でのコネクタのはめ合わせでは、導通はするがはめ合わせが不完全な不完全嵌合(かんごう)という事態が発生することがある。不完全嵌合のまま出荷すると、出荷先などでの不具合発生につながってしまう。DuraClickのクリック音はこれを避けられるので好評をいただけている」(同社)という。
そして、垂直方向に100Nmの力が掛かっても抜けない機能は、組み立て工程でも役立つ。コネクタをはめ合わせ後で、何らかの理由でワイヤーハーネスを引っ張ってしまい、実装基板からDuraClickが抜けてしまうという事態を防げるからだ。
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