触覚フィードバックとタッチパネルの機能を実現、日本TIのマイコン:日本TI MSP430TCH5E
「MSP430TCH5E」は、触覚フィードバック(ハプティクス)や静電容量式タッチパネルの制御機能を内蔵したマイコンである。モバイルコンピューティング機器やゲーム機器、テレビ用リモコン、玩具から産業用制御パネル、POS端末まで幅広い用途に向ける。
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2013年12月、触覚フィードバック(ハプティクス)や静電容量式タッチパネルの制御機能を内蔵したマイコン「MSP430TCH5E」を発表した。モバイルコンピューティング機器やゲーム機器、テレビ用リモコン、玩具から産業用制御パネル、POS端末まで幅広い用途に向ける。
TIは、ハプティクスと呼ばれる触覚フィードバック機能を、MSP430TCH5Eなどで実行するためのImmersion製ソフトウェア「TouchSense 2200」のライセンスを既に取得している。このソフトウェアとMSP430TCH5Eを用いることで、システム設計者はさまざまな音や振動パターンを組み合わせ、122種類の異なる触覚フィードバック効果を追加することができるという。
TIはImmersionと協力して、触覚フィードバック機能を実現するためのソフトウェアをオブジェクトコードで提供する。これによってMSP430TCH5Eがこれまでサポートしてきた静電容量式タッチパネル機能などとの統合が容易となった。MSP430TCH5Eでは、リニア共振アクチュエータと偏心モータアクチュエータの駆動回路をサポートしており、触覚フィードバック機能を比較的容易に実現することが可能である。
さらに、MSP430TCH5Eでは静電容量式タッチソフトウェアライブラリが用意されている。PCベースの「『MSP430』Capacitive Touch Pro GUI」ツールを使って、静電容量式タッチボタン、スライダおよびホイールの設計をリアルタイムで評価/検証し、調整することができる。
また、Element14は、MSP430TCH5EとTI製ハプティクスドライバ「DRV2603」を組み込んだ、ゲームコントローラ形状のブースタパック「HapTouch」を用意した。このブースタパックは、TI製MSP430バリューラインローンチパッド評価キットに接続して、音や振動などを連動させた、さまざまな動作パターンを確認し評価することができる。
MSP430TCH5Eの参考価格は、1000個購入時の単価で1.25米ドル。Element14が販売するHapTouchは25米ドルである。
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