フォルクスワーゲンがCANからコモンモードフィルタを省略、NXP製トランシーバで:車載半導体
NXP Semiconductorsは、同社のCAN(Controller Area Network)トランシーバIC「Mantis」が、フォルクスワーゲンからコモンモードフィルタなしでの使用が可能という認証を受けたと発表した。
NXP Semiconductorsは2014年1月21日(欧州時間)、同社のCAN(Controller Area Network)トランシーバIC「Mantis」が、Volkswagen(フォルクスワーゲン)からコモンモードフィルタなしでの使用が可能という認証を受けたと発表した。
CANは、耐ノイズ性を向上するために、2本の信号線を使った差動信号により通信を行っている。しかし、同相成分(コモンモード)のノイズに対しては、コモンモードフィルタを回路に組み込むなどの対応が必須だと言われている。コモンモードフィルタの主なサプライヤはTDKと村田製作所で、1個当たりのコストは10〜15セントである。
2013年8月にリリースされたMantisは、CANをハイスピード(伝送速度250k〜500kビット/秒)で使用する際に、コモンモードフィルタなしでも自動車メーカーの求めるEMC要件を満足することが実証されていた。Audi、BMW、Daimler、Ford Motor、Porsche、そしてフォルクスワーゲンが策定した「車載アプリケーションにおけるLIN、CANおよびFlexRay向けインタフェースのためのハードウェア要件 Revision 1.3/2012」を含めたEMC要件が導入されて以降、コモンモードフィルタなしでのCANトランシーバの利用をドイツの自動車メーカーが承認するのは、今回のフォルクスワーゲンが初めて。
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