Bluetooth Low Energy対応の通信モジュール、IC内蔵基板で4.6×5.6mmを実現:TDK SESUB-PAN-T2541
TDKのBluetooth Low Energy対応通信モジュールは、4.6×5.6×1.0mmという小型サイズを実現していることが最大の特長だ。小型化の鍵となっているのが、同社が「SESUB(セサブ)」と呼ぶIC内蔵基板である。
TDKは2014年2月12日、Bluetooth Low Energyに対応する通信モジュール「SESUB-PAN-T2541」の量産を開始したと発表した。同製品は、Texas Instruments(TI)のBluetooth Low Energy対応SoC「CC2541」を用いたもので、4.6×5.6×1.0mmのサイズを実現している点が最大の特長だ。
同モジュールに電池とアンテナを追加するだけで、Bluetooth Low Energyを使った機器を容易に作成できる。無線出力は0dBm(標準値)。通信距離は、アンテナの特性に依存するが見通しで10m。UART、I2C、SPI、GPIO、ADCのインタフェースを備えている。ヘルスケア/フィットネス機器や、ウェアラブル機器、リモコンやセンサータグといったホーム/エンターテインメント機器、マウスやキーボードなどのPCアクセサリの用途に向ける。月産30万個の規模で量産し、オープン価格となっている。
独自のIC内蔵基板技術
SESUB-PAN-T2541の小型化の鍵となっているのが、同社のIC内蔵基板「SESUB(セサブ:Semiconductor Embedded in SUBstrate)」だ。文字通りICを基板内に配置する技術で、SESUBの場合は、4層の配線層から成る樹脂基板の2層目と3層目の間にICを内蔵する。IC内蔵基板自体は珍しくないが、TDKはICチップを厚さ100μmまで削って基板内に配置するという技術を持っていて、これにより厚さ0.3mmのIC内蔵基板を実現することが可能だ。
通常、TIのCC2541は6×6mmのQFNパッケージで提供される。SESUB-PAN-T2541は、パッケージごとではなく、CC2541のICチップのみをSESUBに内蔵し、その上に水晶発振器、バンドパスフィルタ、コンデンサなどを搭載している。SESUBの厚さが0.3mmなので、その上に部品を配置しても、モジュール全体の厚さはわずか1.0mmに抑えられている。
TDKによれば、CC2541をパッケージごと使い、水晶発振器やバンドパスフィルタなど、必要な部品を搭載すると、基板面積は8.5×8.5mmほどになるという。SESUB-PAN-T2541は、同じ部品を搭載しても4.6×5.6mmなので、基板面積を約64%削減できることになる。
これまでSESUBは、スマートフォンのPMU(電源管理ユニット)向けにカスタム製品として提供されていた。だが、「小型化を実現できるSESUBは、最近注目を集めているウェアラブル機器との親和性が高いと考え、カスタム製品だけでなく標準品としても提供することにした」(TDK)という。
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