容量1MビットのI2C FRAM:富士通セミコンダクター MB85RC1MT
富士通セミコンダクターは、I2CインタフェースタイプのFRAM(強誘電体メモリ)として、同社最大となる1Mビット容量の「MB85RC1MT」のサンプル出荷を開始したと発表した。
富士通セミコンダクターは2014年2月20日、I2CインタフェースタイプのFRAM(強誘電体メモリ)として、1Mビット容量の「MB85RC1MT」のサンプル出荷を開始したと発表した。10兆回の書き換えを保証し、リアルタイムログなど頻繁な書き換えが要求されるFA制御機器、計測メーター、産業機械などの用途に向ける。
MB85RC1MTは、I2CインタフェースタイプのFRAM製品としては、「当社最大」(富士通セミコンダクター)という容量1Mビット(128Kワード×8ビット)を実現した。−40℃から+85℃の温度範囲で、1.8〜3.3Vの低電圧で動作する。動作周波数はEEPROMと同等の1MHzの他、3.4MHzでの読み出し/書き込みが行える高速モードを備えている。書き換え保証回数は、一般的な汎用EEPROMを上回る10兆回。富士通セミコンダクターでは、「これまでI2CインタフェースによりマイコンとEEPROMを使用していた用途で、EEPROMを新製品に置き換えることで、より頻繁なデータログによるシステムの性能向上と、書き込み時の消費電力の削減が可能になる」としている。
新製品の投入により、富士通セミコンダクターのI2CタイプのFRAM製品ラインアップは、4K〜1Mビットまでがそろった。なお、SPIタイプのFRAM製品ラインアップは、16K〜2Mビット。I2Cタイプ、SPIタイプともにパッケージは、標準的な8ピンSOPを採用し、各種不揮発性メモリを大きな基板設計変更を伴わず置き換えられるようになっている。
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