車載/産業機器向け高信頼性DRAM:ラピスセミコンダクタ MD56V72160C/MD56V82160A
ラピスセミコンダクタは、車載/産業機器向けの高性能DRAMシリーズとして、システムコストを抑えながら輻射ノイズを低減できる最大256Mビット容量のSDRAMを発表した。リードデータ出力時の電流駆動能力を4段階に変更する出力ドライバビリティ調整機能を搭載した。
ロームグループのラピスセミコンダクタは2014年2月25日、車載/産業機器向けの高性能DRAMシリーズとして、システムコストを抑えながら輻射ノイズを低減できる126Mビット容量と256Mビット容量のSDRAMを発表した。既にサンプル出荷中で、2014年3月から月産100万個体制で量産を実施する。サンプル価格は128Mビット品(型番:MD56V72160C)が360円、256Mビット品(型番:MD56V82160A)が520円(それぞれ税抜)となっている。
小〜中容量のSDRAMが使用される車載機器では、SDRAM動作時に発生する輻射ノイズが高周波数帯域などに影響を及ぼし、システムの品質低下を招く要素となっていた。
ラピスセミコンダクタは、SDRAMの動作時に発生する輻射ノイズの低減、インピーダンスマッチングによるリードデータ出力波形の特性改善のため、リードデータ出力時の電流駆動能力を3段階に変更する出力ドライバビリティ調整機能を開発。これまで16Mビット容量、64Mビット容量のSDRAMに同機能を適用してきた。今回、より大きな128Mビット容量、256Mビット容量のSDRAMに同機能を搭載。同時に拡張モードレジスタセットにより4段階のドライバビリティ設定を可能にした。
これによりシステム応じた電流駆動能力の最適化を実現し、輻射ノイズを抑え、輻射ノイズ対策部品を低減できるという。出荷時固定仕様のドライバビリティ設定で提供でき、既存のSDRAMコントローラでも、拡張モードレジスタをセットすることなく最適な出力ドライバビリティ設定の商品を使用できる。
車載機器分野で要求される基板とのはんだ接続性の高い信頼性を確保するため、接続性に優れる銅リードフレームを採用。従来の42アロイのリードフレームと比べ基板の熱膨張係数と近いため、はんだ接続信頼性が向上し、自動車メーカー要求の基板実装状態での熱膨張サイクル基準をクリアできるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- DDRコントローラの選択術
システムの最適化を図る上では、適切なDDR SDRAMコントローラを選択することが極めて重要である。しかし、一般的な検討においては、同コントローラの1つの重要な指標に対して目が向けられていないケースがよくある。その指標とは「データ転送効率」である。本稿では、「データ転送効率とは何なのか」、「それをどのように活用すればよいのか」ということについて、2つのケーススタディを交えながら詳細に説明する。 - 冷却ファンの“うなり音”が減らせる8ビットマイコン
ラピスセミコンダクタは、発振回路の精度を従来品比2倍に高めた8ビットマイコン「ML610Q101/ML610Q102」を発表した。複数の冷却ファンの回転数を高精度に制御できるため、ファンの回転数のバラツキから生じる“うなり音”を抑制できる。 - SRAMとの置き換え可能、富士通セミコンの4MビットFRAM
MB85R4M2Tは、SRAM互換のパラレルインタフェースを搭載することでSRAMとの置き換えを可能とする4MビットFRAMである。2014年1月よりサンプル出荷を始める。MB85R4M2Tに置き換えることでSRAM搭載時に必要だったデータ保持用バッテリを削減することができる。