IoTのためのデバイスとローカルネットワーク:IoTの設計(1/4 ページ)
注目を集めるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)。IoTの概念は複雑ではないが、その実現は複雑だ。IoTを構成するには、それぞれは単純だが、多数の要素が必要となる。本稿では、IoTデバイスと連係動作する通信技術を紹介する。
モノのインターネットとは
「モノのインターネット」と呼ばれるものは何を意味するのだろうか。その内容は、サプライチェーン上での立場によって大きく変わるものだ。多くの人々がその内容を定義しようとしてきたが、多くの場合、その定義は当事者たちの属する業界のニーズや課題によって色付けされていた。しかしながら、ハードウェアあるいはソフトウェア技術者の立場から見れば、その本質的な要素は明白だ。つまり、相互接続される製品(モノ)を構築することだ。そのため、将来だけでなく現在でも、IoTの開発には“組み込みシステム”が決定的に重要な役割を担う。
今日の状況から見れば、モノのインターネットの構成には4つの主要なシステム要素がある。
つまり、図に示すように、4つの分野に分けることができる。
・モノそれ自体(デバイス)
・ローカルネットワーク、これがデバイスの内部において、および外部に向けてデータを移動させる。これは、特定用途向け(専用)通信プロトコルをIPプロトコル群に変換するためのゲートウェイを含む場合がある
・インターネットそれ自体
・エンドユーザーの端末(デスクトップ、ラップトップ、スマートフォン)あるいは企業データシステム、これらによりデータが受信され、処理される(バックエンドでのデータ解析)
IoTは概念としては複雑ではないが、その実現は複雑だ。IoTを構成するには、それぞれは単純だが、多数の要素が必要となる。今もなお新しいハードウェアやソフトウェアが開発過程にあるが、現状でもIoTを現実化するために必要なツール類がそろっているということは理解しておきたい重要事項だ。
本稿では、IoTシステム用のエンドデバイスについて組み込みシステム開発者の観点から検討する。本稿は図1の分類にのうち、“モノ”を取り上げることにしよう。ここで、“モノ”の課題を十分に理解するには、IoTデバイスと連係動作する通信技術を理解することが必須だ。
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