既存の設備にも装着可能なクランプ型の交流電流センサー:TDK CCTシリーズ
TDKは2014年、クランプ型の交流電流センサー「CCTシリーズ」を発表した。家庭やオフィスなどに向けた電力見える化システム用の電流(電力)センサーとして展開する。
TDKは2014年4月17日、クランプ型の交流電流センサー「CCTシリーズ」を発表した。クランプ型のため配線済みの電線にも簡単に取り付けることができる。家庭やオフィスなどに向けた電力見える化システム用の電流(電力)センサーとして展開する。
HEMSやBEMSといったエネルギー管理システムでは、電力を測定する必要がある。一般的に電力測定は、電流センサーで電流値を検出し割り出す。電流センサーとしては、シャント抵抗やホール式などが一般的だ。しかしこれらの電流センサーは基板への実装を前提にしたデバイスが多く、既に設置された分電盤などに追加的に電流センサー/電力計を増設することは難しかった。
30A品と100A品の2種
新製品のCCTシリーズは、カレントトランス式のセンサーで、フェライトコア部分が2つに分かれるクランプ型になっている。そのため測定したい電力が流れる電線を挟み込むだけで取り付けでき、既設の装置にも容易に取り付けられる。CCTシリーズは、最大適用電流30A品と100A品の2種がある。
TDKは、これまでもカレントトランス式の電流センサーを展開してきたが、従来品は基板実装を前提にした製品で、クランプ型ではなかった。今回、TDKはノイズ対策部品であるクランプ型フィルタ製品で培った構造設計や工法を応用し、クランプ型のカレントトランス式電流センサーを実現。開放保護素子を内蔵し、開放時の高電圧を抑制する機能を持つ。その他、「コイルの巻き線などは自動化しており、高品質、安定供給が可能」としている。
サンプル価格は、30A品が900円、100A品が1500円となっている。2014年4月から月産1万個規模で量産を行う。
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