運転支援システムのレーダー信号処理回路用AFE、消費電力を競合比で3割削減:車載半導体
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、先進運転支援システム(ADAS)に用いられるレーダー信号の処理回路向けに、高速処理と低消費電力を特徴とするベースバンドレシーバAFE(アナログフロントエンド)製品「AFE5401-Q1」を発表した。
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2014年6月26日、先進運転支援システム(ADAS)に用いられるレーダー信号の処理回路向けに、高速処理と低消費電力を特徴とするベースバンドレシーバAFE(アナログフロントエンド)製品「AFE5401-Q1」を発表した。参考価格は、1000個受注時の単価で18米ドル。評価モジュール「AFE5401-Q1 EVM」の参考価格は599米ドルとなっている。
AFE5401-Q1は、互いに独立した4つの入力チャネルを内蔵しており、同時にモニタリングできる。各入力チャネルのサンプリング速度は25Mサンプル/秒に達する。このため、入力されたレーダー信号から、障害物の位置やその移動状況、そして障害物に対する素早い対応の必要性などについてより正確に判定できる。
「業界最小レベル」(日本TI)とする消費電力は各チャネル当たり65mW。競合他社品比で30%削減できているという。低消費電力であるため、システム全体の消費電力を増やさずに、レーダーの受信チャネルをより多く実装できる。
パッケージはQFNで、外形寸法は9mm角、端子数は64本。日本TIは、「競合他社の製品と比較して、パッケージサイズを20%削減した。AFEの後につなげるDSPとの間で切れ目のないインタフェースも提供可能で、さらにシステムを小型化できる」としている。
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