パナソニックが「業界最小」のピン型リチウムイオン電池:パナソニック CG-320
パナソニックは2014年10月、「業界最小」という直径3.5mmのピン型リチウムイオン電池(型番:CG-320)を開発した。ウェアラブル機器などでの搭載を目指す。
2015年2月から量産
パナソニックは2014年10月3日、「円筒形二次電池として業界最小」という直径3.5mmのピン型リチウムイオン電池(型番:CG-320)を開発したと発表した。ウェアラブル機器などでの搭載を目指し、2015年2月から量産出荷を開始する。
開発したピン型リチウムイオン電池は、従来の円筒形リチウムイオン電池に比べ非常に微細な部品/部材を使用しながら、コイン電池などで培った技術/ノウハウを生かした高精度な生産工法を適用し、「円筒形の二次電池として業界最小径」(同社)となる直径3.5mmを実現した。体積容量も、単4形電池(直径10.5mm、高さ44.5mm)の約1/20以下で「業界最小」(同社)とする。重さは約0.6gで、公称容量は13mAh。
スパイラル構造で公称電圧3.75V達成
細い形状ながら、従来の円筒形リチウムイオン電池と同じスパイラル電極構造(渦巻き構造)を採用して、正/負極の反応面積を大きくすることで高出力化した。この構造により従来の円筒形リチウムイオン電池と同等の材料を使用でき、高電圧(3.75V)に対応した。「従来の小型一次電池に比べて高い出力が求められる機器の駆動が可能となり、機器の駆動だけでなく、スマートフォンと連携可能なBluetoothなどの近距離無線通信にも対応する。出力、電圧を必要とする機器の小型化に貢献し、充電してくり返し使える二次電池とすることで、交換電池の買い置きや頻繁な電池交換が不要となる」(同社)という。
外装缶には、強度に優れたステンレスを採用した。
直径4.5mm、50mAh品も開発中
パナソニックでは、「材料、製法など各種電池で長年にわたり培った技術・ノウハウをベースに、今後もさらなる技術革新を図り、ラインアップの拡充を行っていく」とし、今回発表した直径3.5mmタイプの製品以外にも、直径4.5mmタイプの製品も開発している。
品名 | ピン形リチウムイオン電池 | ||
---|---|---|---|
品番 | CG-320 | CG-425(開発中) | CG-435(開発中) |
サイズ | 直径 3.5mm | 直径 4.5mm | |
高さ 20mm | 高さ 25mm | 高さ 35mm | |
質量 | 0.6g | 1.0g | 1.4g |
公称容量 | 13mAh | 30mAh | 50mAh |
公称電圧 | 3.75V | ||
最大充電電圧 | 4.20V |
なお、パナソニックは2014年10月7〜11日に千葉市・幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN2014」(シーテックジャパン)で開発したピン型リチウムイオン電池の展示を行う予定だ。
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