手袋装着時も高精度に指の動きをトラッキング、サイプレスのコントローラIC：サイプレス TMA568

サイプレス セミコンダクタの「TMA568」は、手袋を着用した指で操作しても、正確なトラッキングを可能としたTrue Touch Gen5タッチスクリーンコントローラICである。画面サイズが大きいスマートフォンやタブレット端末、電子書籍用端末などの用途に向ける。

[EDN Japan]

　サイプレス セミコンダクタは2014年10月、手袋を着用した指で操作しても、正確なトラッキングを可能としたTrue Touch Gen5タッチスクリーンコントローラIC「TMA568」を発表した。画面サイズが大きいスマートフォンやタブレット端末、電子書籍用端末などの用途に向ける。

　TMA568は、現行のGen5ファミリで実現しているノイズ耐性、防水性、およびパームリジェクション機能といった特長に加えて、新たな機能を実装した。その1つが手袋着用時のトラッキング機能である。静電容量式タッチスクリーン上において、サイズが異なる複数本の指や、さまざまな素材（材質や厚み）の手袋を着用した状態でタッチ検出した場合でも、クラス最高レベルの精度と線形性を実現できるという。しかも、手袋を着用したときと未着用時の操作は、端末側が判断し自動で切り替えを行うため、使用者が手動で設定を変更する必要がない。

TMA568の外観とその応用製品のイメージ

　ホバー検知機能も新たに追加した。例えば、タッチスクリーンが指のタッチポイントを予測して、その周辺部分の地図（ポイント）を拡大することで、オブジェクトの検出と選択を容易にする機能である。これはPCの「マウスオーバー」機能を基に、モバイル機器向けに変更して搭載した。

　さらに、1.0mmパッシブ型スタイラスにも対応している。この機能は日本語や中国語などによる手書きや署名のキャプチャなど、信頼性が要求される文字認識に有用となる。パッケージは56端子QFNあるいは70端子BGAを用意した。