最高レベルの性能を達成、キーサイトが信号発生器とシグナルアナライザ:キーサイト N5193A/N9040B(1/2 ページ)
キーサイト・テクノロジー(Keysight Technologies、以下キーサイト)は、高純度の信号を高速に切り替えて出力できるUXGアジャイル信号発生器(マイクロ波信号発生器)「N5193A」と、広帯域で高ダイナミックレンジのリアルタイム解析能力を備えたUXAシグナルアナライザ「N9040B」を発表した。
キーサイト・テクノロジー(Keysight Technologies、以下キーサイト)は2014年10月、高純度の信号を高速に切り替えて出力できるUXGアジャイル信号発生器(マイクロ波信号発生器)「N5193A」と、広帯域で高ダイナミックレンジのリアルタイム解析能力を備えたUXAシグナルアナライザ「N9040B」を発表した。航空宇宙機器、防衛機器、次世代無線機器の開発用途などに向ける。
新製品は、これまで対応できなかった信号の発生や解析を可能とする製品で、いずれも同社のフラッグシップモデルという位置付けとなる。業界最高レベルの性能/特性を実現するために、キーデバイスとなるICを独自に開発し搭載した。
周波数、振幅、位相を自由に制御
N5193Aは、これまでのマイクロ波信号発生器とは異なり、D-Aコンバータから直接サイン波などの高周波信号を出力することができる、DDS(Direct Digital Synthesis)D-Aコンバータを新たに開発して採用した。これにより、周波数や振幅に加えて、位相も自由に制御することが可能となった。これまでの一般的な信号発生器に比べて、50倍近い広帯域なFM変調やチャープ変調が行えるという。
しかも、新開発のD-Aコンバータは、分解能が14ビット、サンプリング周波数は6GHzである。位相雑音は−136dBc/Hz(中心1GHz、10kHz離調時)、スプリアスレベルは−80dBc(10GHz発振時)を実現しており、PLLベースの信号発生器と比べても、極めて純度の高い信号を生成することができる。スプリアス信号レベルは、現行のPSGファミリ製品と比べ1/200まで改善し、最大−23dBを達成した。
もう1つ新たに開発したICが、高速スイッチングMMICである。前述のD-Aコンバータと併用することで、周波数や振幅、位相の切り替えを50nm以下で実行することができる。従来製品に比べると約100万倍も高速である。立ち上がり/立ち下り時間は1ns、オン/オフ比が80dBの場合に5ns幅の高速パルスを出力できるという。
また、これまでの信号発生器では対応できなかった位相制御を可能としたことで、戦闘機などに搭載された電子戦機器の電磁環境を模擬することや、電子スピン制御の物性研究など、新たな用途に適用することが可能になったという。純度が高く複雑な信号を出力できることから、衝突防止用の次世代自動車レーダ向け模擬信号用途にも有用とみている。
参考価格(税別)は、20GHz周波数オプション付きモデルが962万2618円より、40GHz周波数オプション付きモデルは1427万4568円より。
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