太陽光から星明りまで1台のカメラで対応、オン・セミのCCDイメージセンサー:オン・セミコンダクター KAE-02150
オン・セミコンダクターは、太陽光から星明りまで、ダイナミックレンジの広い画像入力に対応できるCCDイメージセンサー「KAE-02150」を開発し、サンプル出荷を始めた。
オン・セミコンダクターは2014年11月、太陽光から星明りまで、ダイナミックレンジの広い画像入力に対応できるCCDイメージセンサー「KAE-02150」を開発し、サンプル出荷を始めた。監視、防衛/軍事、科学、医療分野の画像処理や高度道路交通システムのカメラ用途などに向ける。
KAE-02150は、インターライン転送型CCDのピクセル設計技術と、新規に開発した電子倍増(EM)出力構造を組み合わせた。これによって、同一の画像内にある低ゲインの信号と高ゲインの信号を、画素ごとに処理して出力することが可能な回路を実現し、広いダイナミックレンジを達成することができた。解像度は1080p(1920×1080画素)に対応している。
具体的には、撮影された画像に応じて、照度の低い領域にある画素の信号はEMCCD(高ゲイン)増幅器へ選択的に出力する。これに対して、明るい領域にある画素の信号は従来通りCCD(低ゲイン)増幅器に振り分けて出力する。このゲイン切り替え機能によって、1台のカメラで照度が大きく異なるエリアを撮影しても、従来製品に比べて白トビや黒つぶれの少ない画像を得ることができるようになった。
KAE-02150は、これまで実績のあるTRUESENSE 5.5μmのIT-CCDプラットフォームをベースに設計されている。このプラットフォームを用い、すでに1M〜29MピクセルのCCDイメージセンサーが製品化されているという。今後は、解像度や画素サイズの異なるKAEシリーズを開発し、幅広い仕様の製品を供給していく予定だ。また、KAE-02150の評価キットも2014年末までには提供していく計画である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 車載対応のパワーマネジメントIC、オン・セミが2製品追加
オン・セミコンダクターは、車載用途向けに2種類のパワーマネジメントICを追加したと発表した。自動ウェイクアップおよびシャットダウン機能付きの非同期型昇圧コントローラ「NCV8876」と、スイッチング周波数が2.1MHzでデュアルチャネルステップダウンの降圧型DC-DCコンバータ「NCV896530」である。 - OA機器向けステッパモーター駆動IC、無負荷時の消費電流を80%低減
LV8702Vは、コピー機やスキャナー、複合機などのステッパモーターの駆動用ICだ。駆動波形を監視して電流値を自動的に調整する独自のシステムを採用し、駆動効率を大幅に高めたことが特長である。モーターから出る熱と振動、ノイズを低減するのにも寄与するという。 - 富士通セミコンがオンセミと半導体製造で合弁
富士通セミコンダクター(以下、富士通セミコン)とオン・セミコンダクター(以下オンセミ)は2014年7月31日、富士通セミコンがオンセミ製品を受託製造するファウンドリ契約を締結するとともに、富士通セミコンが新たに設立する会津若松地区8インチウエハー対応工場運営会社にオンセミが7億円出資することで合意したと発表した。