180MHz動作時に225DMIPS、STマイクロの高性能STM32マイコン:STマイクロ STM32F446
STマイクロエレクトロニクスの「STM32F446」は、ARM Cortex-M4コアを搭載した、動作周波数が最大180MHzの32ビットマイクロコントローラである。
STマイクロエレクトロニクスは2014年12月、ARM Cortex-M4コアを搭載し、動作周波数が最大180MHzの32ビットマイクロコントローラ「STM32F446」を発表した。産業機器や医療機器、IoT(モノのインターネット)機器などの用途に向ける。
STM32F446は、CPUコアに浮動小数点ユニットとDSP機能を備えたARM Cortex-M4コアを内蔵している。しかも、内蔵したフラッシュメモリからのゼロウェイトステート実行を可能とする、同社独自のフラッシュアクセラレータ「ART Accelerator」技術を採用しており、180MHz動作時に225DMIPSおよび608CoreMarkの性能を達成している。一方、低電力動作モードの「STOPモード」では、消費電流を50μAまで低減することができるという。
周辺機能としては、カメラインタフェースやオーディオインタフェース「I2S(Inter-IC Sound)」、「S/PDIF(Sony Philips Digital Interface)」、HDMIによるシステムコントロールインタフェース「CES(Consumer Electronics Controller)」、ディスプレイ向けパラレルインタフェースなどをサポートしている。
さらに、FMC(フレキシブルメモリコントローラ)とデュアルのQSPI(クアッドSPI)を内蔵しているため、外付けメモリを用いたシームレスなシステム拡張が可能である。90MHzで動作可能なFMCは、コントローラを内蔵したことで、外付けのSRAMやSDRAM、NOR/NAND型フラッシュメモリ、あるいはLCDの制御回路設計を簡略化できるという。また、デュアルQSPIは、FMCから独立して動作し、最大2個の外付けNOR型フラッシュメモリにSDRまたはDDRで直接接続することが可能だ。
パッケージは外形寸法が3.728×3.85mmと小さい81端子WLCSPや、20×20mmの144端子LQFPまで用意している。また、内蔵のフラッシュメモリ容量は256kバイトまたは512kバイトがある。サンプル出荷はすでに始めており、2015年3月までには量産を開始する予定。サンプル製品の参考価格は、内蔵するフラッシュメモリ容量が256kバイト、SRAM容量が128kバイトで、パッケージが64端子LQFPの「STM32F446RC」場合、約3.75米ドルである。
同社は、STM32F446を応用したシステム開発者に向けて、オープンソフトウェアプラットフォーム「STM32Cube」、開発ボード「STM32 Nucleo」、評価ボード「STM32 Discovery」なども用意している。
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