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デュアル3A、シングル6AのDC-DC降圧電源モジュール:インターシル ISL8203M
インターシルは、ポイント・オブ・ロード電源の設計を簡素化するデュアル3A/シングル6AのDC-DC降圧電源モジュール「ISL8203M」を発表した。高い電力密度と15℃/Wの放熱特性により、広い温度範囲でフル負荷動作ができる。
インターシルは2015年1月、通信、試験・計測、産業機器のFPGA、ASIC、マイクロプロセッサ、DSPなどのポイント・オブ・ロード(POL)電源の設計を簡素化する、デュアル3A/シングル6AのDC-DC降圧電源モジュール「ISL8203M」を発表した。通信インフラ・産業機器向けで、低消費電力が求められるバッテリー駆動などの低電圧機器に対応する。
ISL8203Mは、PWMコントローラー、同期整流スイッチングMOSFET、インダクタ、受動部品をワンチップモジュールとして集積した包括的な電源システム。2.85〜6Vの入力電圧範囲に対応し、最大95%の高効率を可能にした。可変出力電圧範囲は0.8〜5Vで、3Aデュアル出力または6Aシングル出力の電源として利用できる。
クラス最高の15℃/Wの放熱特性
サイズは9.0×6.5×1.83mmとコンパクトで、同社の特許技術と先進的なパッケージング技術を採用した。高い電力密度とクラス最高という15℃/Wの放熱特性により、広い温度範囲でフル負荷動作ができる。ヒートシンクやファンの必要がなく、85℃時でも6Aの電流供給ができる。
さらに、過熱保護/過電流保護/電圧低下ロックアウト機能なども搭載し、電源に必要とされる堅牢性、信頼性を備えた。
価格は、1000個購入時単価で5.97米ドル。評価ボード「ISL8203MEVAL2Z」(価格:67米ドル)も販売する。
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