Wi-SUN向けCPU内蔵の1チップ無線通信LSI:ラピス ML7416
ラピスセミコンダクタは2015年3月、Wi-SUN対応機器に必要な機能一式を1チップに搭載した無線通信LSI「ML7416」を発表した。
ラピスセミコンダクタ(以下、ラピス)は2015年3月、Wi-SUN対応機器に必要な機能一式を1チップに搭載した無線通信LSI「ML7416」を発表した。同月からサンプル出荷を開始し、同年8月から月産30万個規模で量産出荷を行う予定。サンプル価格は1000円(税別)。
HEMS(家庭内エネルギー管理システム)などに用いる無線通信として普及が期待されているWi-SUN*)の機能を組み込むためのシステムLSIは、必要なメモリ容量の大きさなどから、無線通信部(RFブロック)と制御用CPU部を一体化した1チップタイプの無線通信LSIは「存在しなかった」(ラピス)という。またメモリ容量以外にも、Wi-SUNが想定するHEMSは、一般的にデータ量は少なく、CPU性能はあまり必要としないため、CPU性能が過剰で電力効率を落とす原因になりがちだった。
*)関連記事:「2年後にはスマホにもWi-SUN」――標準化を先導するNICTがWi-SUN普及に自信
省電力LSIと大容量メモリをRFと一体化
ラピスが開発したML7416は、Wi-SUNのソフトウェアを格納するためのFlash ROM(512kバイト)/RAM(64kバイト)の容量を確保しつつ、Wi-SUN対応機器に適した省電力CPUコア「ARM Cortex-M0+」を搭載。さらに、2012年からRF IC「ML7396B」として量産実績を持つWi-SUN PHY認証取得実績のあるRFブロックなどと一体化し、「業界初のWi-SUNに最適なCPU内蔵の1チップ無線通信LSIを開発した」(ラピス)。
ML7416のサイズは、10mm角。従来、ML7396Bとマイコンの2チップで構成した場合よりも、基板実装面積を35%程度削減できる。またパッケージは、1mmという広いピンピッチのBGAパッケージを採用した上で、端子レイアウトを最適化して単層基板でも部品配置が行えるようになっている。
Wi-SUNでのデータ通信に必要な暗号化処理用に、ハードウェア暗号エンジンと、パケット処理に最適なDMAコントローラを搭載している。消費電力は、待機時2μA、10mW出力送信時33mAとなっている。
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