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交流を直流に変換する「AC-DC電源」のきほんいまさら聞けないAC-DC電源入門(2/3 ページ)

コンセントにつなぐ電気製品になくてはならないAC-DC電源。ノートPCやスマートフォンのアダプタなどで身近に使用している割に、その仕組みを知らない人は多い。そんなAC-DC電源の必要性や方式の基本を紹介する。

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AC-DC変換方法 その1『トランス方式』

 トランス方式の回路構成、各部の概略波形を図1に示す。トランス方式では、【1】AC電圧をトランスで変圧した後、【2】整流器を使って整流する(ここではブリッジダイオードによる全波整流)。【3】最後にコンデンサで平滑してリップルの少ないDC電圧を生成する。トランスを使用することから安全規格などで要求される絶縁構成を実現できる。


図1 トランス方式の回路構成と各部の概略波形

 変換前のAC電圧をVAC、変換後のDC電圧をVDC、トランスの1次巻線数をNp、2次巻線数をNsとすると、式(A)が成り立つ。

 式(A)の通り、VDCはVACに比例して変動するので、安定した出力電圧を得るためにはAC-DC変換後にリニアレギュレータやDC-DCコンバータなどの電圧レギュレータが必要になる。

 トランス方式で一般的に使用されるトランスは入力電源周波数(50/60Hz)で動作する低周波タイプで、商用トランスなどと呼ばれる。構造はコアと呼ばれる鉄芯と1次と2次の巻線から成り、コアには主に珪素(けいそ)鋼板が使用される。大きさ、体積は電源の出力容量に比例し、容量の大きなものは大きくて重くなる。

 ブリッジダイオード整流器は4個のダイオードで構成される。現在は、4個のダイオードが整流用に結線されて1つのパッケージに入ったものが使われる場合がほとんどだ。パッケージの形状としてはSIPやDIPなどがある。

 コンデンサは主に電解コンデンサを使用する。必要な容量は出力容量やリップル電圧によって変わるが、おおよそ数百uFから数千uFになる。

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