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テープ厚10μmのタッチパネル用薄膜高分子フィルム粘着テープ:日立マクセル 薄膜高分子フィルム粘着テープ
日立マクセルは、テープ厚10μmで透過率92%の「薄膜高分子フィルム粘着テープ」を開発した。光学特性に優れた薄膜高分子フィルムを基材とし、片面に接着力の高い粘着材を配置した。
日立マクセルは2015年3月、テープ厚10μmで透過率92%の「薄膜高分子フィルム粘着テープ」を開発したと発表した。モバイル端末のタッチパネル画面に適用することで、薄型・軽量化が可能になるという。
薄膜高分子フィルム粘着テープは、光学特性に優れた薄膜高分子フィルムが基材となる。その片面に接着力の高い粘着材を配置したことで、10μmという薄さを可能にした。
基材のフィルムは、耐溶剤性にも優れ、基板背面上に直接、額縁やメーカーのロゴなどの加飾印刷ができる。また、独自のポリマー架橋設計でフィルムの柔軟性も向上。曲面や角度のある部材に対応する他、加工の際の部材の欠けや割れの発生を低減できるという。
透過率92%の光学透明性
さらに、粘着剤は光学特性にも優れるため、透過率92%という光学透明性を達成した。フィルムと粘着剤間の密着力を高めた塗布プロセス技術により、テープと材料間、テープ層間の接着強度も向上させた。
同社では、モバイル端末の他に、機器の形状に合わせた柔軟性が求められるウェアラブル端末などの用途にも展開するとしている。
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