ニュース
動作温度を105℃まで拡大、2.5×2.0mmサイズの車載用TCXO:日本電波工業 NT2520SB
日本電波工業の「NT2520SB」は、動作温度範囲が−40〜105℃と広く、外形寸法が2.5×2.0mmと小さい温度補償水晶発振器(TCXO)である。車載GPSや車載通信システムの周波数発振源の用途に向ける。
日本電波工業は2015年4月、動作温度範囲が−40〜105℃と広く、外形寸法が2.5×2.0mmと小さい温度補償水晶発振器(TCXO)「NT2520SB」を開発したと発表した。2015年5月よりサンプル出荷を始める。車載GPSや車載通信システムの周波数発振源の用途に向ける。
NT2520SBは、温度補償回路の見直しを行うとともに独自技術を駆使することで、小型パッケージ品で、温度特性は±0.5×10-6の精度を維持しつつ、温度範囲の上限を105℃まで拡大した。従来品は85℃であった。もちろん、車載用電子部品の信頼性試験規格である「AEC-Q200」に準拠している。公称周波数範囲は13〜52MHzである。
車載用ナビゲーションシステムやテレマティクスの機能が高度化し、GPS情報と渋滞情報/店舗情報、あるいはエアバック情報などとの連動により、利便性や快適性がますます向上している。また、路車間通信や車車間通信などネットワーク技術を活用した先進運転支援システム(ADAS)の実用化に向けた研究も進んでいる。
NT2520SBは、こうした車載システムの進歩に合わせて開発したもので、小型・高精度に対応しつつ、これまでより厳しい温度環境での使用を可能とする。量産開始は2015年10月を予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 時計用の32.768kHzとMHz帯を1個で同時出力、2016サイズの水晶発振器
日本電波工業の「NZ2016SK」は、外形寸法が2.0×1.6mmと小さく、32.768kHzとMHz帯の2つの周波数を同時に出力できる水晶発振器である。腕時計型やメガネ型のウェアラブル機器用途などに向ける。 - 動作温度範囲を105℃まで拡張、日本電波工業のスマートセル向けTCXO
日本電波工業の「NT7050BB」は、動作温度範囲の上限を105℃に広げたSMDタイプのTCXO(温度補償水晶発振器)である。フェムトセルなど小型、高温対応が必要となる無線通信基地局などの用途に向ける。 - 105℃対応のクロック水晶発振器
日本電波工業は、動作可能温度上限値が105℃と高温での使用が可能な高精度のクロック用水晶発振器「NZ2502SG」を発表した。 - 携帯電話の小型基地局向けの水晶発振器、位相雑音は−128dBc/Hz
日本電波工業が発表した水晶発振器は、同社の従来品に比べて、位相雑音を約10dBc、位相ジッタを約60%改善している。 - −40〜105℃の周波数温度特性が±3.0ppmのTCXO、日本電波工業が開発