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マルチチャネル内蔵の誘導型近接センサー、28ビットの分解能で1μm未満を検出:日本TI LDC1614製品ファミリ
日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は、マルチチャネルを内蔵した誘導型近接センサー「LDC1614」製品ファミリを発表した。最大28ビットの分解能で、1μm未満の距離変化を検出できる。
日本テキサス・インスツルメンツは2015年4月30日、マルチチャネルを内蔵した誘導型近接センサー「LDC1614」製品ファミリを発表した。最大4チャネルをワンチップに集積したことで、センサーをシステム全体に分散して配置し、回路を少ない枚数のプリント基板上に実装できる。
最大28ビットの分解能
LDC1614は、特性の一致した2チャネルまたは4チャネルのLDCをワンチップのIC(集積回路)に内蔵。差動やレシオメトリック構成による計測を可能とし、温度や湿度、機械的なドリフトなど、環境条件や時間的な変動を簡単に補正できる。分解能は最大28ビットで、1μm未満の距離変化を検出することが可能だ。周波数範囲は1kHz〜10MHzと広いことから、小型のプリントコイルを使用できるため、センシングシステム全体のコストの削減とサイズの縮小が可能になる。
3.3Vの単一電源で動作し、標準的な動作時の消費電力は6.9mW、シャットダウン・モード時は0.12mWと低消費電力になっている。また、無接点のセンシング機能により、機器寿命を縮める油分、ほこり、ちりなどの絶縁性の汚染物質に対する耐久性を備えた。
LDC1614は4mm×4mmの16端子WQFNパッケージ、または12端子WSONパッケージで提供され、1000個購入時の参考価格は2.38米ドルから。I2C経由で設定が可能だ。
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