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マイコンとDSPの違いって何?Q&Aで学ぶマイコン講座(14)(1/3 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「マイコンとDSPの違いって何?」についてです。

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過去の質問一覧はこちら

 素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。

 今回は、初級者から多く寄せられる質問です。


 マイコンもDSPも演算するためのものですが、何が違うのですか?どのように使い分ければよいのでしょうか?

 DSP(Digital Signal Processor)は、大量の複雑な演算を短時間に実行できる用途に特化して作られた演算器です。

 具体的な用途としては音声処理、画像処理、信号の変調/復調、高速フーリエ変換、デジタルフィルターなどが挙げられます。

 マイコンでも高速処理が可能なものはありますが、あくまで汎用製品なので、複雑な演算を高速処理したい場合はDSPが便利です。

 例えば、(16ビットデータ×16ビットデータ)±(16ビットデータ×16ビットデータ)+64ビットデータ=64ビットデータのような計算は、マイコンでは複数の命令で処理しなくてはなりませが、DSPでは1命令で、かつ1サイクルで実行できます。

 だからといって、DSPがあればマイコンは不要かというと、そうではありません。例えば、生活家電などにはDSPのような高速演算能力が必要ありませんので、マイコンで十分です。汎用性、使いやすさという意味では、マイコンはDSPよりも優れています。

 ただし、最近ではARM社のCortex-M4やM7のように、汎用マイコンでもDSPと同じ演算をサポートしているマイコンも登場しています。

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