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浮動小数点演算のメリットQ&Aで学ぶマイコン講座(17)(1/4 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、上級者の方からよく質問される「浮動小数点演算のメリット」についてです。

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 素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。

 今回は、上級者から多く寄せられる質問です。

 マイコンの説明書で「浮動小数点演算サポート」や「FPU搭載」をよく見かけます。そもそも「浮動小数点演算」とは何ですか? この演算のメリットは何ですか?

 例えば32ビットマイコンが一度に扱えるデータは232=4294967296になります。これ以上大きいデータを扱う場合は、5.0×1012(5.0e12)のような浮動少数点数を使います。この場合、5を仮数、10を基数、12を指数と呼びます。マイコンで浮動小数点を扱う場合はIEEE 754に準拠していますので、基数は2に固定されます。図1に、仮数、指数、符号のフォーマットを示します。


図1:数値フォーマット (クリックで拡大)

 浮動少数点演算は、ソフトウェアでも可能ですが、専用のハードウェアの浮動小数点演算ユニット(FPU:Floating point unit)が搭載されていれば、高速処理ができます。

FPUを使うと「実数」(C言語 float型)を無限に取り扱うことができるため、高度なアプリケーションへの対応が可能になります。

 例えば自動車分野であれば、パワートレイン、ABS、トラクション制御など。また、デジタル家電や、ゲームなどの3D画像処理、レーザープリンタ、デジタルカメラなどのイメージ処理で使用されます。産業機器分野では電源制御などに使われています。

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