低ジッタ・省電力のパケットネットワーク同期装置クロックIC:シリコンラボ Si5348
シリコン・ラボラトリーズは、パケットネットワーク同期装置クロックICの新製品「Si5348」を発表した。従来品に比べ、80%の低ジッタ化、50%の小型化、35%の省電力化を達成している。
シリコン・ラボラトリーズは2015年8月、パケットネットワーク同期装置クロックICの新製品「Si5348」を発表した。従来の同期装置に比べ、80%の低ジッタ化、50%の小型化、35%の省電力化を達成したという。
同製品によりハードウェア設計者は、ワイヤレス、電気通信インフラストラクチャ、ブロードバンド・ネットワーク(G.fast DSLやPONなど)、データセンターのアプリケーション向けに「チップ上のクロックツリー構造」ソリューションを同期イーサネット(SyncE)、IEEE 1588v2や汎用周波数変換に実装できる。
クラス最高のジッタ性能
パケットネットワーク経由で同期を実行する手段として、IEEE 1588とSyncEが広く普及している。Si5348は、IEEE 1588、SyncE、Stratum 3クロック要件に準拠したタイミング・ソリューションにおいて、クラス最高のジッタ性能を提供。デバイスを幅広いタイミング・カードやライン・カード・クロック・アーキテクチャで使用できる。さらに、外部ホスト・プロセッサで実行されているIEEE 1588ソフトウェアと簡単に相互運用できるよう設計され、システム統合を簡略化できるという。
パケット・タイミング・アプリケーションでは、安定性の高いオシレータが重要な役割を果たすが、Si5348はユニバーサル基準入力ポートをサポートするため、デバイスが任意の周波数であるTCXO(温度制御クリスタル・オシレータ)/OCXO(オープン制御クリスタル・オシレータ)とペアリングすることができる。
単価は出力周波数に応じて10〜12米ドル/1万個で、パッケージは9×9mmのQFNパッケージとなっている。
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