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理想的なインターコネクトの特性とはオープンコンピューティング向けインターコネクト[前編](1/4 ページ)

あらゆるコンピューティングで必要なインターコネクト。インターコネクトの消費電力は増大の一途をたどっており、その効率性を高めることが重要視されている。本稿では、オープンな高性能コンピューティングのための「理想的な」効率の高いインターコネクトの特性を紹介する。

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 エクサスケールコンピューティングは、1秒間に1018浮動小数点数演算(FLOPs)を実行可能なマシンを追求しています。これは人間の脳で利用可能な演算能力にほぼ匹敵します。エクサスケールコンピューティングを実現するために解決しなければならない主なエンジニアリング問題の1つは、消費電力です。平均的な人間の脳は20W(ワット)を使用します。2014年11月のGreen 500のスーパーコンピュータリストで実現された、現在のコンピュータで最高の効率は、1Wにつき5.27GFLOPsです。この最高の効率を誇るコンピュータのアーキテクチャのまま、エクサスケールコンピュータを実現すると、ほぼ190MWを消費することになります。この消費電力は13万世帯分の電力または人間950万人分の脳の消費エネルギーに相当します!

 エクサスケールコンピュータによって消費される電力の大部分は、チップ間インターコネクトに使用されます。エクサスケールコンピュータの多数のプロセッサは、相互や外部の世界と通信する能力がない、単なる“ヒーター”に過ぎません。1つのチップ内におけるプロセッサ間の通信は、外部で信号を駆動するために必要な電力(数百ミリワットから数ワット)と比較すると、消費される電力は少量です(マイクロワット)。理想的なインターコネクトは、役に立つアプリケーション作業を実行する際に費やされるFLOPsを最大化し、データの待機やプロセッサ通信に費やされるFLOPsを最小限に抑えます。

 「インターコネクトの効率」は本稿で特別な意味があります。1つのメモリシステムから別のメモリシステムへ適時適切なビットを転送するために、インターコネクトXによって消費される電力が、インターコネクトYによって消費される電力より少ない場合、インターコネクトXはインターコネクトYより効率が高くなります。このため、インターコネクトの効率は、単独の通信オペレーションの測定ではなく、エンド・ツー・エンドのシステム測定を示します。システム全体は、1つの転送が完了するまで待機する際に電力を消費する場合があるため、効率は、転送を実行するのに要する時間(「適時適切なビット」)によって最も影響を受けます。インターコネクトの効率は単にエクサスケールコンピューティングだけではなく、マルチプロセッサを必要とする大きな、あらゆるアプリケーションにとって重要です。これには、「ビッグデータ」分析の多くの例や、社会として依存しているソーシャルメディアや検索アプリケーションが含まれます。1年間にサーバの稼働、冷却に使用される電力量は、サーバの本体価格に匹敵します。

 本稿は、オープンな高性能コンピューティングのための「理想的な」効率の高いインターコネクトの特性を提案し、これらの基準に対する既存のインターコネクトテクノロジと比較します。

理想的なインターコネクトの特性

表1:理想的なインターコネクトの特性
特性 説明
相互運用性 マルチベンダー、オープンスタンダードで実証された相互運用性
統合 SoCに統合されたインタフェース
トランザクションタイプ キャッシュ
コヒーレンシ
キャッシュコヒーレントSoCバスの拡張
読取り/書込み 非キャッシュコヒーレントSoCバスの拡張に対応
メッセージング 接続と非接続志向のメッセージング
RDMA 別のSoCソフトウェアエンティティのメモリスペース向けにデータを読取り/書込み
トポロジ SoCはあらゆる方法で接続可能、マルチキャスト/ブロードキャスト対応
グッドプット 伝送されたデータ量は実効帯域幅に一致、多くの実効帯域幅オプション、100Gbpsの密集したリンクを利用可能
フォールトトレランス 単一障害がないシステム設計に対応
ソフトウェア アプリケーションが理想的なインターコネクトの全てのイノベーションを活用することを可能に

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