機能安全に対応したマルチ出力の車載向け電源IC:東芝 TB9044FNG
東芝は、機能安全に対応した、マルチ出力の車載向け汎用システム電源ICを発表した。各種異常検出回路と診断回路を内蔵し、機能安全の向上に貢献するという。
東芝は2015年12月、機能安全に対応した、マルチ出力の車載向け汎用システム電源IC「TB9044FNG」のサンプル出荷を開始した。量産開始は2017年10月からの予定だ。
電動パワーステアリングシステム(EPS)やブレーキシステムでは、機能安全規格「ISO 26262」で規定される最高レベルの自動車安全度水準「ASIL-D」を求められるケースが増加している。TB9044FNGは、各種異常検出回路などの機能を搭載し、機能安全の向上に貢献するという。
各種異常検出回路と診断回路を内蔵
異常検出回路には、バッテリー電源の低電圧検出回路、DC/DCコンバータの高電圧検出回路、シリーズ電源の高電圧/低電圧検出回路、IC内部過熱検出回路、IC内部発振周波数監視回路、外部のマイコン監視用ウォッチドッグタイマ回路などを搭載。これらの機能により、製品自身の動作異常を監視できる。
さらに、潜在的故障を検出するため、異常検出回路の診断回路を内蔵している。異常を検出した際には、SPI(Serial Peripheral Interface)のレジスタ設定を変えることで、システムに通知するか、リセットを出力するかを選択できる。
昇降圧DC/DCコンバータ回路は、車載バッテリーから6Vを生成可能。バッテリー動作の電源電圧範囲は、アイドルストップ時に一時的に電圧が低下するクランキング動作を考慮し、2.7〜18Vとなっている。TB9044FNGは、DC/DCコンバータで生成された6V電源を入力とする、4回路の5Vシリーズ電源を搭載。マイコン用の5V定電圧(電流容量400mA)1回路と、センサーやその他のインタフェース用の5V定電圧出力(電流容量100mA)3回路から、独立して電圧出力を可能にした。
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