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消費電力の計算方法Q&Aで学ぶマイコン講座(23)(1/4 ページ)

マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、中級者の方からよく質問される「マイコンの消費電力計算」についてです。

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 素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。

 今回は、中級者から多く寄せられる質問です。

 マイコン選定の際に、各マイコン製品のおおまかな消費電流を把握したいのですが、マニュアルやデータシートから知ることはできますか? できれば、自分で使う予定の周辺機能も含めた消費電流も知りたいです。

 一般的にマイコンの消費電流はデータシートに記載されています。しかし、代表的な使用条件での値しか記載されていない場合が多いので、ユーザーはそれらの値から、自分の使用条件に合った電流値を算出する必要があります。

 使用する各機能の消費電流をデータシートから拾い出して、合計すればよいのですが、各機能の特性によって、消費電流の算出方法が変わります。

 消費電流は大きく分けて動的電流(交流成分)と静的電流(直流成分)に分けられます。動的電流はダイナミック電流、静的電流はスタティック電流とも呼ばれます。ともに電源電圧に影響されますが、動的電流は使用する周波数にも影響を受けます。動的電流の電流値は大抵の場合、「mA/MHz」などのように、1MHz当たりの電流値で示されていますので、動作周波数を掛けて算出する必要があります。クロックに同期して論理的な動作をするCPUやタイマーや通信機能は動的電流です。また、アナログ回路はバイアス電流などの静的電流になります。

 図1にSTマイクロエレクトロニクスのSTM32L15xのCPU、タイマー2およびA-Dコンバーターを動作させた総電流の計算例を示します。


図1:マイコンの電流計算例 (クリックで拡大)

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