USB PDの評価:USB Type-Cの登場で評価試験はどう変わる?(5)(3/5 ページ)
連載の最終回となる今回は、「USB PDの評価」に関して、PD(Power Delivery)のコンプライアンス試験や動作検証などのテストソリューションについて述べる。
Type-Cテストソリューション
前述のように、PDを用いると最大100Wの電力を双方向で供給することが可能となる。また、USB以外の通信にも対応できるなど、そのメリットは多い。その分、Type-Cコネクターを採用した製品を正常かつ安全に動作させるためには、規定にのっとった試験や機能評価を正しく行うことが重要となる。キーサイトは、PDに関するコンプライアンス試験や、動作検証/解析を行うためのテストソリューションを用意している。
PDのコンプライアンス試験は、PD仕様書Chapter 5(物理層)/6(プロトコル層)/7(電力供給)の内容に沿って行われる。このうち物理層とプロトコル層のテスト用に、オシロスコープ「Infiniium Sシリーズ/9000シリーズ」をはじめ、GRL製のテスト用PDコントローラーおよびUSB PDテストソフトウェアなどを組み合わせたテストソリューションを提供している。また電力供給機能のテスト用に、電流プローブやテスト治具、電源アナライザ、電子負荷などを用意している。さらに、実機での動作検証/解析用途に、「Infiniium Sシリーズ/9000シリーズ」のオプション製品となる「USB-PDトリガー&デコード」機能を新たに追加した。
PDのコンプライアンス試験では、テスト用PDコントローラーから送信された制御信号に対して、被測定物が規格通りに正しく動作するかを検証する。具体的にはCC端子やVbus端子にプローブし、制御信号や動作時の電圧/電流の波形をオシロスコープに取り込む。取り込んだデータはGRL製のUSB PD専用ソフトウェアでデコードを行うなどして、プロトコルテストやPHYテスト、電源テストなどを行う。キーサイト製の電源アナライザを用いると、実機の電源投入タイミングや電圧スルーレート、電源ノイズを模擬した試験なども実施することが可能だ。テスト結果はディスプレイ画面に表示したり、レポートを作成したりすることができる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.